【前作、紗季の健康診断はこちら↓】
暖かくなり始めた頃、まとまった休みが取れたために温泉旅行にやってきた。
木々に囲まれた露天風呂は、まぶしいほどの太陽の光に照らされていた。
青空に白い雲が浮かび、湯面には木漏れ日がきらきらと反射している。
硫黄の香りがほんのりと漂い、風に揺れる木々の音が心地よく響く。
ここの露天風呂は混浴ではあるのだが、専用の湯浴み着があるので大丈夫。
用意された湯浴み着はワンピースのようなかわいらしいデザインだった。
アイボリーの布地は柔らかく軽やかだが、厚みがあり透け感は少ない。
胸元のリボンが可愛らしさを引き立てている。
以前の滝行で透けて恥ずかしい思いをした経験があるだけに、私は念入りに確認した。
日差しの下で湯を浴び、濡れた生地を指で摘んで光の加減を確認する。
どの角度から見ても透けは気にならない。
これなら大丈夫。
そう確信してから湯船へと身体を沈めた。
ほどなくして、ばしゃばしゃという水音が近づいてきた。
地元の少年達が元気に湯に入ってきた。
小学校高学年ぐらいの年頃だろう。
まだ女性を強く意識するには幼く、彼らは無邪気にこちらへ声をかけてくる。
「こんにちはー!観光の人?」
「うん、秘湯だって聞いたからね。温泉好きはこなきゃね。」
少年たちは友達感覚で自然体に話しかけ、私は微笑んで受け答えを返した。
湯船には和やかな空気が流れていた。
じわじわと身体が温まり、次第に顔が火照ってくるのを感じる。
この温泉はやや熱めなのだ。
心臓の鼓動が早まり、のぼせ気味になった私は、少し涼もうと湯船の縁に移動した。
滑らかな木の縁に腰を下ろし、三角座りでしばらく涼んでいた。
心地よさに身を任せ、そのままゆっくりと後ろに倒れて横たわった。
顔にタオルを乗せると、まぶたが自然に閉じていく。
「ああ……気持ちいい……」
自然と口元が緩み、ぽかぽかした陽気と心地よい疲労感が体を包み込んでいく。
ほんの数分だけ眠ってしまっていた。
ふと耳に届いたのは、微かなひそひそ声だった。
「おい、順番、順番……」「こっちの角度、すげー見える……」
「…お前、グロいとか想像してた?」「うん…なんか毛とかすごいのかと思ったけど……」
「全然違う、めっちゃ綺麗だぞ…すげー…なんか…つるつるしてる……」
「やっば……俺こんなの初めて見た……」「……あ、今肛門見えた!」
「お前変態かよ!」「だ、だって…なんか…穴が……すげぇピンク色だった……」
「ちょ…やめろよ、そういうの言うなって……!」
──そして、少し離れたところでさらに小声のやりとりが続く。
「おいお前、あれ買って貰ったんだろ?」「あ、う、うん、すぐ持ってくる!」「急げ!」
なにやらこそこそ話しているようだった。
しばらくして、走って戻ってくる小さな足音が聞こえる。
「バレるなよ?」「ピロリン」「バカ!」
そんなやりとりが聞こえた。
そして、みんな湯船に戻ったようだ。
ぼんやりと目を開け、顔に乗せたタオルの隙間から見ると、湯船を抜け出した少年たちが一人ずつ、私の足元へ順番に回り込んでいるのが見えた。
──そこで、ようやく自分の今の状態に気付く。
湯浴み着の下には何も着ていない。
インナーを着けたまま湯に入るのはマナー違反だし、私は素肌のまま羽織っていた。
三角座りのまま眠ってしまった私は、膝が自然に開き、今はまるでM字開脚のような状態になっている。
太陽の光は遠慮なく足元を照らし、湯気の隙間から肌の奥までくっきりと映し出していた。
しかもIゾーンもOゾーンも、数日前に処理したばかりでつるつるだ。
隠すべき大事なところは、何一つ隠されていない──。
少年たちの遠慮ない視線が刺さり、身体は徐々に熱くなっていった。
次第に、どうしようもなく反応してしまい、秘部がじんわりと濡れてきてしまう。
流石にこれはまずい。
どうしようかと考えたその瞬間、片手が体から滑り落ち、お湯に落ちた。
少年たちはハッとしたように慌てて湯船に駆け込んでいく。
私は、その拍子に目を覚ましたように演技を始める。
「あれ、寝ちゃってた……」
わざと寝ぼけたふりをして目をこすりながら起き上がる。
少年たちは一様に視線を逸らし、顔を真っ赤に染めていた。
「ぼ、僕たちそろそろ出ます!」
まるで逃げるように、皆が股間を押さえながら脱衣所へと駆けていった。
湯面に残る波紋が、彼らの慌てた足取りを物語っていた。
彼らが完全に去ったことを確認すると、私は湯船の縁に座り直し、そっと湯浴み着の裾を捲って足元を覗いた。
直射日光が差し込む中、自分のつるりとした肌が眩しく光っている。
柔らかな粘膜まで、細かな凹凸まで、全てが曝け出されていた。
「……やっぱり……丸見えだった……」
顔が一気に熱くなりながら、私はそっと着替えを済ませ、旅館の部屋へ戻った。
用意されていた布団にダイブし、枕に顔を押し付けてジタバタと悶える。
「も、もうやだぁ……!」
転がりながら、何度も悶えていると──
ふと、さきほどのあの小さな音が頭に蘇った。
「……ピロリン……?」
胸がどくん、と跳ねた。
あの時、確かに少年たちは何かを持ってきて、そして音が鳴っていた。
──まさか、撮られて……?
一気に顔から血の気が引いていく。
手で口元を押さえ、枕の中で何度も小さく叫ぶしかなかった。
「う、うそぉ……!!」
だが──
よく思い出してみると、昼寝中は日差しが眩しく、顔にタオルを乗せていた。
せめて……顔は写っていない、はず。
そこだけが、唯一の救いだった。
「……でも……でもぉぉ……!」
再び悶絶しながら、布団の中で全身をバタバタとさせる。
火照った頬に、じわりと汗が滲んでいく。
部屋の静けさの中、羞恥の波はいつまでも収まらなかった。
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