【創作羞恥小説】羞恥の石膏像(前編)

創作羞恥CFNM

放課後、部活も終わり、教室で着替えていた。
シャツを脱いだところで、ガラッと教室のドアが開く。

「あ、ごめんね。着替えの最中だったね。」

そう言って入ってきたのは、美術部の吉田さんだった。

「逆だったら大問題だぞ、これ。」

軽口を叩きながら返答する。

「あはは、それもそうね。」

吉田さんは笑って、俺の方をちらりと見る。

「沢田くんって、腹筋割れてるのね。」

「ああ。一応、鍛えてはいるからね。」

すると吉田さんは、何を思ったのか俺の周りをぐるっと一周した。

「な、なに? どうしたの?」

彼女の奇行に、少し狼狽えてしまう。

「いやいや、沢田くん、結構きれいな体してるね。なるほど、なるほど。」

なにやら品評しているみたいだ。
じっくり見られるのは、少しこそばゆい。

「やだ、エッチ。」

そう言って、俺はさっとシャツ胸を隠すポーズをしてみた。

「ごめんごめん。最近、人体のデッサンやっててね。男の人の筋肉に興味があったのよ。」

にこやかにそう言われると、その笑顔にそれ以上何も言えなくなる。
吉田さんはカバンを取って、ドアへ向かった。

「じゃーね。また明日。」

そう言いながら小さく手を振って、帰っていった。
……ちょっとだけ、吉田さんのことが気になってしまった。

それ以来、俺たちはちょくちょく喋るようになっていた。
それと同時に、少しずつ恋心も湧いてきた気がする。


「なあ、最近、吉田とよく喋ってるな。」

昔からの、良い意味で悪友の山田が話しかけてきた。

「そうかな。」

変に勘ぐられないように答えた……つもりだったのに。

「好きだろ、吉田のこと。」

ニヤニヤしながら言われる。
もちろん図星であるが……。

「そ、そんなこと……あるけどさ。」

こいつには隠し事が難しい。長く友達をやっている弊害だな。

「だったらさ、早めに行動した方がいいぞ?」

「……? なんで?」

俺としては、ゆっくり確実に仲良くなりたいが。

「あのなぁ。綺麗な黒髪ロングで、顔もそれなりにかわいい。しかも誰にでも分け隔てなく話す。そんな女が人気ないわけないだろ?」

“それなり”と言われて、少しムッとしてしまう。
確かにうちのクラスには、読モとかやってるらしい神谷さんみたいな、別格っぽい子もいるけどさ……。

「はは、悪い悪い。つまりだ、吉田は表向きじゃなくて、裏向きで人気があるわけだ。」

裏向きってなんだよ、裏向きって。

「お前が吉田と仲良く喋ってるとき、恨めしそうな視線送ってるやついるからな?」

そうだったのか。全然気が付かなかった。
よっぽど吉田さんに気が入ってたんだろうな。

「よっぽど吉田に気が入ってたんだな。」

山田も同じことを考えていたらしい。
でも、なぜか少しイラッとした。

「恋は先手必勝だぞ。」

「彼女できたことないくせに、何言ってんだよ……。」

俺がそう返すと、山田は俺の背中を叩いて、いい笑顔でこう言った。

「吉田と付き合えたら、友達紹介してくれよ。」

「多分、紹介してもらっても、うちのクラスの女子だろ。」


そんなことがあってから、吉田さんと話している時も、以前より意識してしまっていた。
それを必死に隠しながら。

「沢田くん、今度、美術部に遊びに来なよ。」

笑顔で吉田さんに誘われた。
確かに、吉田さんと話しているうちに、ほんの少しだけど美術というものに興味が湧いていた。

「わかった。行くよ。いつ行けばいいのかな?」

「放課後はいつも部活やってるから、いつでもいいよ? 今日、放課後暇なら来ない?鉄は熱いうちに、ってね。」

今日はちょうど、部活の顧問が休みで自主トレがメインだった。都合はいい。

「そうだね。今日、行くよ。」

「やった。じゃあ、絵の描き方とか教えてあげるね。お昼に部長に話しておくよ。」

本当に嬉しそうな吉田さんの笑顔が、眩しかった。
もしかして俺たちって――と、思ってしまいそうになる。

『恋は先手必勝だぞ。』

山田の声が頭に浮かぶ。

……早く、放課後にならないかな。


放課後になり、掃除を終わらせてから、美術部へウキウキしながら向かった。

「そういえば、お互い部活があるから、放課後に会うなんてことなかったな。」

足取りはとても軽い。

美術部のある教室の手前の角を曲がると、そこには吉田さんの姿があった。
もしかして、教室の外で待っていてくれたのだろうか。

吉田さんと目が合った、その瞬間――。

「あ、沢田くん! ごめん! 今日は帰って!」

すごく慌てている。
もしかして急用が入ったのだろうか。

そう思って足を止めようとした瞬間、教室の中から手が伸びてきた。
その手は吉田さんの口と体を押さえ、そのまま教室の中へ引きずり込む。

「え? 吉田さん!」

何が起きたのか分からず、俺は慌てて教室へ駆け込んだ。

そこには、女性に口を押さえられて捕まっている吉田さんがいた。
そして、扉がガチャりと閉められる。

「え? え?」

理解が追いつかない。

吉田さんの口を押さえていた人物が、俺に話しかけてきた。

「美術部にようこそ。歓迎するよ、沢田くん。」

怪しい笑顔でそう言ったのは、美術部の部長だった。
少し前、大きなコンクールで優秀な賞をもらい、一躍有名になった人だ。

……そんな人が、なぜ吉田さんを取り押さえている?

ますます、わからなくなった。

「なるほど。君が最近、吉田くんからよく話を聞く男子か。」

部長は俺のことをじろじろ見てくる。
それよりも、吉田さんが部活でも俺の話をしてくれていることが、素直に嬉しかった。

「……とりあえず、逃げも隠れもしないので、吉田さんを離してくれませんか?」

そう言うと、背後から声が聞こえた。

「部長、一応縛っておきますか?」

恐らく、俺が入った時に扉を閉めた張本人だろう。
ちらっと見ると、背の低い女の子が立っていた。手にはロープ。……本気で縛る気なのだろう。

「いや、その必要はない。これから彼を“おもてなし”するからね。」

部長はそう言って、吉田さんの口から手を離した。

そして、吉田さんがようやく口を開く。

「……はぁ。沢田くん、できれば今日は帰ってほしかったな……。」

なぜか、本当に申し訳なさそうな表情をしている。

「そんなこと言うな。せっかく沢田くんは、吉田くんに会いに来たというのに。」

部長が、しれっとそんなことを言ってくる。
それはそうだが、面と向かって言われると、ちょっと恥ずかしい。

そんな会話をしている間に、背の低い子がテーブルと椅子を用意し始めた。

「あの、そちらの子は……。」

「ん? ああ、1年の大崎くんだ。」

大崎さんはちらっとこっちを見たかと思うと、またいそいそと準備に戻る。
後輩の女の子だったのか。

テーブルにクロスが掛けられ、カップが並べられていく。

「さあ、ティーパーティーの始まりだ。」


テーブルに着き、紅茶を振る舞われた。
しかし、吉田さんが憂鬱そうな表情をしていることが気になる。

「さて、沢田くん。君に折り入って相談があるのだが。」

部長が口を開いた。
嫌な予感しかしない。

「君の身体を貰えないだろうか?」

「……は?」

唐突に訳のわからないことを言われた。

「……部長、それじゃ何も伝わりませんよ?」

呆れたように、吉田さんが口を挟む。
いつも明るい吉田さんが、終始じめっとした雰囲気でそこにいる。
――そんな吉田さんも魅力的ではあった。

「そうだな。では、はっきり言おう。次の作品を作るために、君の身体を石膏像にしたいのだ。」

石膏像……。
どういうことだ?

「つまり、君の身体の型を取らせてほしい。結構きれいな体をしているらしいじゃないか。」

ちらっと吉田さんの方を見る。
ものすごく気まずそうな顔をしている。

「はあ……つまり、上半身の身体を石膏にしたいってことですか?」

デッサンに使われるような胸像を想像した。
それくらいなら別に協力してもいいが……。

「いや、全身だ。」

全身?

「水着とか着て型取りするんですか?」

なんだか気持ち悪そうだな……とは思う。

「いやいや、全裸だ。ダビデ像のようなものを想像してくれ。」

全裸って……。
さすがにこれはお断りしよう。

というか、なんで吉田さんは俺の裸のことを話したのだろうか。
そこだけはちょっと気になるが。

「さすがに全裸は問題ありませんか? 申し訳ないけど、お断りします。」

部長が少しがっかりした表情をする。

「ならば仕方ないか。今回は吉田くんの石膏像にするしかないな。」

え? 吉田さん?

「君が一肌脱いでくれないから、吉田くんの全裸が世に晒されてしまうかもな。あんな所やこんな所も……。」

いやいや、さすがにダメでしょ。
というか、吉田さんの裸に興味がないと言えば嘘になるが、他の男になぞ晒していいわけがない。

「吉田さんがやるなら、俺が……。」

そう言いかけた時、吉田さんが口を開いた。

「やるわけないでしょ……。」

すごく冷静に言い放った。
まあ、脅されてでもなければやらないよな、普通。

「……吉田くんが余計なことを言わなければ、墜ちていたのに。」

部長がまた、がっかりした顔をしている。
なんなんだ、この人は。

「ただな、君の身体を石膏にしたいという気持ちは本物だ。お礼もする。できれば協力してほしい。」

部長が頭を下げてきた。
最初からそうすればいい気もするが……。

「お礼は気になりますが、さすがに全裸は無理ですよ……。」

すると部長は、おもむろにブレザーを脱いだ。

「協力してくれたら、私のおっぱいを見せてあげよう。なんなら30分間、触り放題だ。」

「ちょ! ええ!?」

部長の着ているシャツが少し小さいのかもしれないが、かなりパツパツである。
もしかして、すごく着やせするタイプなのかもしれない。

「ちなみにFカップだ。形も保証しよう。」

これは……すごく惹かれる……。
童貞男子にとって、未だ触れたことも見たこともないFカップのおっぱい……。

その時、ものすごく強い視線を感じた。

慌ててそちらを見ると、吉田さんが恐ろしい目でこちらを見ていた。

まずい……。

「……あー、わかりました。協力します。でも、おっぱいは惜しいけどいらないです。」

目の前のおっぱいより、吉田さんの好感度だ。

「……もったいない。」

大崎さんがぼそっと呟いた。

俺だって血の涙を流すような決断だよ! と心の中で叫んだ。

喜んでいる部長を横目に、吉田さんが俺に話しかけてきた。

「本当に大丈夫? 全裸だよ? 今なら全然断れるよ?」

心配そうに言ってくる。

「まあ恥ずかしいけど、やると言ったらやりきるよ。」

「……ごめんね。私がデッサンしてたとき、沢田くん腹筋割れてたよって言っちゃったから……。」

そんな経緯だったのか。まあ、いいんだけど。

「それでね……石膏で型取るのって、部長一人じゃ難しいらしいの。」

ん? ということは。

「私と恵ちゃん……大崎さんも一緒に作業すると思うけど、本当に大丈夫?」

大崎さんって、恵ちゃんというのか。
……いや、それより。

吉田さんも一緒?
つまり、吉田さんに見られるってことか?

「……そ、そうか。まあ、がんばるよ……。」

ちょっと憂鬱になってきてしまった。吉田さんに見られるのか……。
急に成長するわけでもないし、もうどうにもできないけど、せめて当日はきれいに洗っておこう。

「二人とも、今日は部活にならないからもう帰りな。準備も必要だから、作業日は改めてな。」

二人で顔を見合わせる。

「じゃ、一緒に帰ろうか。ごめんね、せっかく来てもらったのに。」

吉田さんは申し訳なさそうに言った。
でも俺としては、一緒に帰るチャンスができたわけで――正直、嬉しかった。

その日は、今までで一番楽しい帰宅になった。


ついに、作業当日が来てしまった。

作業は金曜日の夜。
誰の身体かバレないように、こっそり作業をするらしい。

夜十時、学校の裏口へ行くと、吉田さんが待っていた。
こっちこっち、という感じで手を振ってくれる。

なんかちょっと、逢い引きみたいで嬉しい。

「夜の学校って、ちょっとドキドキするね。」

そう言いながら、吉田さんは俺の手を握って先導してくれた。
……まだ寒い校舎の中で、吉田さんの手が温かい。

というか、女の子の手を握ったのなんて、何年ぶりだろうか。

そんなこんなで、美術室へ無事に到着した。

静かにドアを開けると、部長と大崎さんが忙しそうに準備をしていた。

「おお、来てくれたか。……って、手をつないじゃってラブラブだな。」

少し口元を緩めながら、部長がそう言って出迎える。

慌てて手を離す俺たち。

「ごめんね! 暗くて危ないと思って、つい!」

「いやいや、おかげで無事に来れたからね!」

二人して焦って弁解してしまう。
まあ、嫌われていることはないか――と確信できたので、よし。

「吉田先輩、こっち手伝ってください。沢田先輩は今は休んで、体力を温存してください。」

前から思っていたが、大崎さんはよく働く。
身体が小さい分、よく動くのが小動物っぽくてかわいい。

そんなことを考えていると、大崎さんがジトッとした目でこっちを見てきた。

「私のこと、小動物みたいって思いましたね?」

エスパーか。

「ごめんごめん。よく働くな、と思ってね。」

すると大崎さんはスポーツドリンクを渡してくれた。

「余裕ぶっていられるのも、今のうちですよ。」

そう言い残して、作業に戻っていった。

「ふふ。大崎くんとも仲良くなってくれて嬉しいよ。」

部長が話しかけてくる。

「俺、嫌われてません? 大丈夫ですか?」

「あの子は、嫌ってる相手には徹底して距離を取るからな。むしろ好かれてると思うぞ。」

そうなのか……。
女の子は難しいな。

そんなやり取りをしているうちに、ついに作業開始の準備が整った。

「さて、沢田くん。心の準備はいいかな?」

今から三人の女の子に裸を見せることになる。
心の準備なんて、いくらしてもし足りないさ。


意を決して、上から脱いでいく。
シャツを脱ぐと、上半身が裸になった。

「なるほど。適度に腹筋も割れてていい体だ。マッチョと言うほどではないところがいい。」

三人とも、まじまじと見ている。
少しだけ恥ずかしいが、褒められて悪い気もしない。

「あ。」

すると大崎さんが、小さく声を上げた。

「わき毛、剃っておいてくださいって言うの、忘れていました……。」

少し申し訳なさそうな顔をしている。

「わき毛? 剃るの?」

「そうね。アルジネートっていうので型を取るんだけど、毛が生えてると剥がすときにすごく痛いかも。」

確かに、無理矢理毛を引き抜かれるような感じなのかもしれない。

「……と言うことは。」

部長が意味深に言う。

「とりあえず、先に進もうか。次はズボンだが、大丈夫か?」

もうここまで来たら、引くことはできない。

靴下を脱ぎ、ベルトに手をかけた。
まだパンツがあるので、ズボンそのものはするっと脱ぐ。

「足とかは、あまり無駄毛がないな。」

「はい。やっぱり綺麗な体してますよね。」

なぜか吉田さんが嬉しそうに言った。
腕毛やすね毛がほとんど生えないことを少しだけ気にしていたが、こう言われると悪い気はしない。

「さてさて、最後の一枚だが……改めて聞く。本当に大丈夫か?」

部長が優しく確認してくれた。
それなりに気にしてくれていたんだな――そう思うと、むしろがんばろうという気になってくる。

「はい。これから脱ぎます。でも……いや、なんでもないです。いきます。」

目をつぶり、そっとパンツを下ろした。


自分のそこが、空気に触れる。
部屋は暖かいのに、そこに当たるわずかな風で――「表に出したんだ」と実感してしまった。

そして、そっと目を開ける。

三人の女子が、俺のそこをじーっと見ていた。

「あの……そんなにガン見しますか?」

俺が言うと、三人がハッとした。

「すまんすまん。本物を見るのは初めてでな。興味深くて観察してしまったよ。」

部長がしれっと言う。

「私も初めて見たけど、けっこうかわいいのね。」

悪意なく、吉田さんも続けた。

かわいい……か。

「やっぱり毛が生えてますね。」

大崎さんまで、そんなことを言っている。

そもそもみんな、あまり恥ずかしがらないんだな、と思ってしまった。
そうなると、いちいち恥ずかしがっているこっちがおかしいのか――そんな倒錯した考えまで浮かんでくる。

「つかぬことを聞くが、この先端が剥けるのは本当か。美術作品で男性器はたまに見るが、みんな君のような形をしているからな。」

大人っぽい雰囲気の部長だが、意外にそっちの知識はないらしい。

「あ、はい。剥けますけど……。」

剥いて見せるべきなのだろうか。
でも、吉田さんに剥いているところを見られるのは、なんだか恥ずかしい。
いや、今の包茎状態の方が恥ずかしいのだろうか。もう訳がわからなくなっていた。

「いや、今は剥かないでいいぞ。型取りも、その形の方が理想通りだからな。」

少しホッとした。
しかし理想通り……ダビデ像か?
あれも包茎だからなぁ……。

「とりあえず、これ巻いておいてね。」

吉田さんがタオルを手渡してくれた。
ありがたく腰に巻く。

「では、先輩の剃毛に入りますか?」

そうだった。
わき毛を剃るとか言っていたな。
別にいいんだけど。

「カミソリは私の使い捨てがあるから、それを使おう。あとは潤滑剤があればいいのだが。」

みんなカバンを漁りだした。

「あ、私の洗顔剤使いますか。」

吉田さんがカバンから取り出した。

吉田さんが顔に使っているものを、俺のワキに塗るのか……。
ちょっと興奮する俺は、変態なのだろうか。

「では吉田くん、剃ってあげてくれ。私と大崎くんは準備を進めよう。」

「はい。じゃ、ちょっとお湯持ってくるね。」

好きな女の子に、わき毛を剃ってもらうのか。
嬉しいような、恥ずかしいような――変な感覚がしていた。


吉田さんがお湯の入った洗面器を持ってきた。

「保健室から借りてたの。返す前でよかったよ。」

そう言いながら、ヘアゴムを口にくわえ、ロングの髪をまとめはじめる。
その仕草に、つい見入ってしまった。やっぱり、かわいいな……と。

「じゃ、剃っていく準備するね。」

吉田さんは洗顔剤を手に出し、泡立てはじめた。
なんとなく、ちょっとエッチだなと思ったり、思わなかったり。

「まずは右手を上げてね。」

あまり意識していなかったが、ワキを見られるのも少し恥ずかしい。
そもそもこれ、ワキなら自分でも剃れるんじゃないか?
そう思ったが、吉田さんに剃ってもらいたい気持ちもあって、黙っていた。

「じゃ、塗っていくね。」

泡が吉田さんの手で塗られていく。くすぐったくて、思わず体がピクピクしてしまう。

「沢田くん、くすぐったがりだね。もうちょっと我慢してね。」

楽しそうに塗っていく。
それにしても、距離が結構近い。いい匂いが鼻孔をくすぐる。

「よし。じゃあ剃っていきましょうか。痛かったら言ってね。」

そう言いながら、カミソリをワキに当てる。
少しずつ、ゾリゾリという音とともに毛が剃られていく感覚があった。
そして……くすぐったい。

「く……くく……。」

「あまり動かないでね。」

「でもさ、やっぱりくすぐったいし。」

「ごめんね。もうちょっと我慢してね。」

そんなやりとりをしていると、大崎さんがじーっとこちらを見ていた。

「あまりイチャつかないでくださいね。」

そう言って、作業に戻っていった。
俺と吉田さんは顔を見合わせて、少し照れてしまった。

「ごめん。なるべく我慢するよ。」

「こっちも、さっさと終わらせるね。」

そうして、ワキは両方ともつるつるになった。
少し違和感はあるが、意外とさっぱりした気分でもある。

「よし。じゃあ次は下だね。」

……下?

そりゃ、ワキを剃るなら陰毛も剃るか……。

「……仕方ないか。」


「じゃあ、立ってもらって……ギリギリまでタオル下げてもらっていいかな。」

さすがに陰毛を見せるのは、なんとなく恥ずかしい。
言われたとおりに立ち上がり、タオルをギリギリまで下げる。

「さっきワキ剃ったとき、長いままだと剃りにくかったから、先にちょっと切っちゃうね。」

そう言いながら、吉田さんは小さなハサミを取り出した。
そして陰毛を摘まんで、チョキチョキと切り始める。切っては袋に捨てる。その繰り返しだ。

あらかた切り終わると、吉田さんが聞いてきた。

「また洗顔剤塗っちゃうけど、大丈夫?」

まあ今さらダメとも言えないし、お願いするしかない。

「……よろしく。」

吉田さんは泡立てた洗顔剤を塗り始めた。
ちんちんのすぐ上を、女性に触られるなんて――。

とりあえず、興奮しないように。冷静に。

「じゃ、剃っていくね。」

そして刃が当てられる。
上の方が剃られていくが、下半分はタオルのせいで剃りにくそうだった。

「ごめんね、手間取っちゃって。」

傷つかないよう、丁寧にやってくれている。
でも、やっぱり大変そうだ。

「吉田さんが平気なら、タオル下ろそうか?」

さっき一度見られているんだ。
恥ずかしくはあるが、一度も二度も同じだ。

「……本当にごめんね。外してもらっちゃってもいいかな? すぐ終わらせるから。」

その言葉を聞き、少し深呼吸をしてタオルを下ろした。
吉田さんの目の前に、再びそれが開放される。

思いの外、顔との距離が近くてドキドキしてしまう。

吉田さんがカミソリを当て、少し剃り出したが――手を止めた。

「……ちょっと触ってもいいかな? やっぱりちょっと剃りにくくて。」

申し訳なさそうに言う。

吉田さんに触られる……か。
正直言えば、願ったり叶ったりだ。けれど、それを表に出すのはよくない。

「うん、大丈夫。」

すると吉田さんは、恐る恐る俺のそれを指で摘まんだ。
ちょうどそこは、皮に包まれてはいるが亀頭のあたり。

そんなところを擦られて、ビクッと反応してしまった。

「キャ! ごめんね! 痛かった!?」

吉田さんが慌てて手を離す。

「あ、ごめん! 初めて触られるから反応しちゃった! 大丈夫だから!」

「……そ、そう?」

そう言いながら、吉田さんはもう一度、そっと摘まんだ。

やはり……気持ちがいい。
ただ触れられているだけなのに、こんなに気持ちがいいなんて……。

(耐えろ! 絶対に大きくなるな!)

摘ままれている部分はともかく、剃られている部分もなぜか気持ちがいい。

「よし! できた!」

吉田さんがそう言った。

(耐えきった!)

そう思って気が緩んでしまったようだ。
そもそも、俺なんかに耐えられるわけがなかったんだ……。

吉田さんが摘まんでいるそれに、血液が一気に集まる。

「え? え?」

困惑する吉田さんをよそに、完全に勃ってしまった。

唖然として手が離せない吉田さん。
そして、動けなくなってしまった俺。

「なるほど。これが勃起というやつか。」

気がつけば、部長と大崎さんも見ていた。

――どうやら女子三人の前で、失態を晒してしまったらしい。


顔面蒼白になっている俺を見てか、部長が声をかけてきた。

「吉田くん、そろそろ手を離してもいいのでは?」

その一言で、吉田さんがハッとして手を離した。
彼女は自分の手を、まじまじと見つめている。

「沢田くん。すまないが……少しだけ、触れてもよいか? 少し興味があるんだ。」

かろうじて部長の声が耳に届いた。

「……あ、はい。どうぞ……。」

頭が回っていないまま、答えてしまった。
すると、部長の手がそっと俺のそれに添えられた。

「……硬いな。骨も入っていないのにこれはすごいな。」

部長が小さく呟く。

すると、大崎さんも声をかけてきた。

「わ、わたしも……触って良いですか……?」

ずっと冷静だった大崎さんが少しどもっていた。
よく見ると顔が真っ赤だった。

「……いいよ。」

別に大崎さんだけ断ることもない。
好きにしてくれと投げやりな気持ちもあった。

「本当に……硬いですね。」

おっかなびっくりな感じで触っている。

「重ね重ねすまないが、睾丸の方も触ってもいいか?」

「はい、どうぞ…。」

部長の手がそっと睾丸の方に伸びた。

「さっき見た時はだらんとしていたのに、今はキュッとしているのだな。興味深い。」

大崎さんに竿を触られ、部長に球を撫でられる。
正直気持ち良い。 いや、良すぎる。
その部分に上り詰めてきている感覚があった。
これ以上はまずい…。

「あの、そろそろ……。」

やっと絞り出した声に、部長と大崎さんが我に返ったように手を引く。

「……すまない。触りすぎたか。」

そこに残されたのは、先端から透明な液体を溢れさせ、すぐにでも爆発してしまいそうなモノであった。
耐えろ、耐えるんだ俺…。
少しでも動かしたら射精してしまいそうなこの状況に、吉田さんが声をかけてきた。

「沢田くん……苦しいの?」

「だ、大丈夫。大丈夫だから……!」

冷や汗が背中を伝う。深く、深呼吸を繰り返した。

すると吉田さんが、優しい顔で言った。

「沢田くんが、私たちのために頑張ってくれてるの、ちゃんと伝わってるよ。だから……我慢しないで。」

そう言いながら先端から液体が溢れてしまっているそれを優しく握った。

「吉田さん!今触ったらダメ!」

そんな声が聞こえないように、吉田さんは手を上下し始めた。
初めて女の子に扱かれて、耐えられるはずもなかった。

「出ちゃう!」

そして…吉田さんの手によりビュビュっと、吐き出された。
まるで睾丸が飛び出してしまったかのような快感が走った。


吐き出されたものは、どうやら準備していたらしい吉田さんのハンカチに収まっていた。
それを三人がまじまじと見ていた。

「すごい出るんだね。びっくり。」

吉田さんが目を丸くして見ている。
肩で息をしながら答えた。

「あ、ごめん。ハンカチ汚しちゃった……。洗って、いや買って返すよ。」

さすがに自分の精液がついたものでは、洗ったところで……と思った。

「別に気にしなくてもいいよ。全然汚くないし、洗えば問題ないから。」

笑顔でそう言ってくれはするが……。

すると大崎さんが吉田さんの腕をつついた。
そして耳元で囁いている。

「沢田先輩からプレゼントもらうチャンスですよ。」

こそこそしゃべっているつもりだろうが、全部聞こえている。
すると吉田さんも、

「じゃ、新しいハンカチ楽しみにしようかな。このハンカチ、ちょっと洗ってくるね。」

そう言ってニコニコしながら部室から出ていった。

「今回の件、吉田くんが一番反対していた割に一番楽しそうだな。」

そうなのか。
まあ楽しそうならいいか。

「さて、ハンカチで多少拭き取ったとはいえ、さすがに洗わないといけないな。」

出し切って小さくなったそれを、部長がつつく。

「ずっと思っていたのですが、男の裸どころか、ちんこまで見て恥ずかしがったりしないんですか?」

すると部長が言った。

「恥ずかしくないと言えば嘘になるな。さっきも言ったが、私も初めて見る。ただな、私たちが過剰に恥ずかしがっては沢田くんが辛いだろう。」

やはり部長はかなり気を遣ってくれているようだ。
それがとてもありがたかった。

「何の話しているの?」

そこに吉田さんが戻ってきた。
ハンカチを部屋の隅っこの方に干している。

「ああ、三人で沢田くんの汚れたところを洗ってあげるという話だ。」

「そうですね。今のままでは作業も進みませんしね。」

いつの間にか、お湯を入れ替えた洗面器が大崎さんの手にあった。

「いや、自分でやりますよ!」

さすがにそこまでしてもらうわけにはいかない。

しかしそんな俺を部長が制した。

「よく考えてみたまえ、沢田くん。こんな美少女三人に洗ってもらえる機会なんて早々ないぞ? なんなら、それなりのお金が動いてもおかしくない。」

自分で美少女というのか……と思うが、確かにこんな機会二度とないだろう。
ただ、年下の大崎さんはなんかまずくないか?

そう考えていたら、大崎さんが急に手で泡立て始めた。

「今、私のこと外そうと思いましたね?」

俺が単純なのか、大崎さんが鋭いのか。
考えが見抜かれてしまっている。

「わかった。お願いします。ただ、出たばかりは敏感なので優しくお願いします。」

もう全てを任そう。
多分今日は全て許される。そう思うことにした。

「では失礼します。」

どうやら今、泡立てていた大崎さんが洗ってくれるようだ。
後輩の女の子にやってもらうのは、何となく背徳感が強い。

小さくて柔らかな手が、そこを包み込む。
……気持ちいい。

「どうですか? 気持ち良いですか?」

大崎さんの問いかけも、何となくエロく感じてしまうのは仕方がないよね?

「うん、気持ち良いけど、本当にほどほどでいいからね?」

無理していなければいいが、と大崎さんの表情を見るといたって真面目だった。

「では、睾丸の方は私が洗おう。」

部長もいつの間にか手を泡立てていた。

竿を大崎さんに、睾丸を部長に……。

さっきは触れられていただけだが、今は柔らかな手とぬるぬるの泡で、丁寧に洗われている。
……こんなの、耐えられるわけないじゃないか……。

当然、再度目覚めてしまう。

「……スイマセン。」

情けなく謝ってしまった。

「ふふ、かまわないよ。もう一度気持ち良くなってしまえば良い。」

部長の指先が、睾丸の方からゆっくりと滑って、竿の方へ移していった。
大崎さんと部長、二つの手で大きくなったそれを洗われていく。

また、こみ上げてくる感覚が襲う。

「あ……ダメです。また出ちゃいます……!?」

その声と同時に、身体がびくびくっと震えた。
白い泡と混ざるように白濁とした液体が先端から吐き出される。
一回出してすぐなのに、二度、三度びゅっと出てしまった。

「……あったかいな。」

部長がそう呟いた。

「……また、汚れちゃいましたね。」

そう言いながら、大崎さんがお湯をかけてくれた。


この短時間で二度も吐き出され、さすがにしょぼっとしてしまうそれ。

「……やっぱり小さい方がかわいいです。」

ぼそっと大崎さんが呟いた。

お湯を流すことで、泡と一緒に吐き出されたものも流されたようだ。
そしてタオルで丁寧に拭いてもらった。

「よし、きれいになったな。」

部長も少し満足そうな顔をしている。

「あ、はい。ありがとうございます。あとは俺がやります。」

その言葉に、部長の眉がぴくりと動いた。

……しまった。何も言わず、トイレにでも行けばよかった。
そう思っても後の祭りだった。

「……もしかして、まだ洗うところがあるのか? 正直に言った方がいいぞ。」

部長の顔が目の前に来た。
切れ長のきれいな目が、俺をじっと見つめる。

蛇に睨まれたカエルではないが、美人に睨まれても動けなくなるんだな……と。

「……わかりました。正直に言います……。あの……皮の中が……。」

勃起しても剥けきれない包皮の中に、精液がまだ残っているような感覚があった。

「なるほど。君の性器は剥けると言っていたな。私はまだ構造に疎かったようだ。」

やっと顔を離してくれた。

すると、黙って見ていた吉田さんが声を上げた。

「あの、それ……私がやっちゃダメ?」

その発言にびっくりしてしまった。

「いいんだけど……本当に無理はしないでね? こんなの自分でできるから。」

そんな俺の言葉に、吉田さんはこう返した。

「……だって、さっき私、洗ってあげられなかったし……。」

……もしかして、少しだけヤキモチ焼いているのだろうか。
かわいすぎるぞ、吉田さん……。

「じゃ、じゃあお願いします……。」


全裸で仁王立ちする俺の前に、洗面器を挟んで、なぜか正座する吉田さん。

「……どうすればいいのかな。」

吉田さんが軽くつまみながら困惑している。
その両脇で、部長と大崎さんが興味深そうに眺めていた。

「えっと、皮をつまんでもらって、持ち上げるような感じで……。」

自分でその説明をすることが、こんなに恥ずかしいなんて……。

吉田さんは先端のあたりをキュッと摘まんだ。

「あ、そこじゃなくて亀頭……えっと、もう少し“ふくらみ”があるところがあると思うけど、そこ摘まんだ方がやりやすいかも……。」

おずおずと、包まれながらも少しふくらんでいる部分を摘まみ直した。

「じゃ、やってみるね。痛かったら言ってね。」

そう言いながら、吉田さんはゆっくり皮を持ち上げた。
そして、三人の女の子の前で、ピンク色のそれが晒し出された。

その瞬間、ぬるっとしたものが洗面器に落ちた。

「なるほど。これは気持ち悪いわけだ。」

相変わらず部長が興味深そうに眺めている。

そして、吉田さんが手を離すと――くるっと、また隠れてしまった。

「? これは手を離すと元に戻るものなんですか?」

大崎さんが不思議そうに尋ねてきた。

「……もうはっきり言うよ。俺、サイズが小さいんだ。それで皮が余ってるから、手を離すと戻っちゃうんだよ。」

少し涙が出そうだった。

「そうなんですか? さっき大きくなってたときは迫力ありましたよ?」

「そうだな。正直、あれより大きいものが私の中に入るなんて、なかなか考えられないな。」

「そうね。ちょっと気にしすぎじゃないの?」

三人が口々に答えてくれる。
本当に涙が流れそうだった。

……あと部長は「私の中に」とか言わないでほしい。
少し生々しい想像をしてしまった。

「私も剥いてみてもいいか?」

「あ、私もやってみたいです。」

そんな二人の声に押されて、順番にやってもらった。
なんだこれ……とは思ったが、間違いなく今後の“おかず”になる。

なんなら録画しても……と思ったが、何かを察知したのか、吉田さんの目が少し怖かった。

「も、もういいんじゃないですかね?」

少しどもりながら二人に声をかけた。

「そうだな。では吉田くん、きれいにしてあげてくれ。」

すると吉田さんは左手でスッと剥き、右手で器用に洗いはじめた。
もう構造を理解したようだった。

「……気持ちいい? 痛くない?」

かなり優しく、亀頭のあたりを洗ってくれている。
それも素手で……。

気持ちよくないわけがない。

「……気持ちいいです。」

そんな返事に、吉田さんがふっと笑った。

「なんで敬語なのよ。はい、終わり。」

タオルで先端を拭いてもらい、包皮を元に戻して終わりだった。

……もうちょっと触っていてほしかったが、こればっかりは仕方ない。

「さて、毛を剃るのにだいぶ時間がかかってしまったな。」

時間を確認すると、一時間は経過していた。

「一応、朝までは作業できるが……少し急ごうか。」

部長が切り替えると、大崎さんと吉田さんもそれに続いた。

とりあえず俺はまた腰にタオルを巻き、待ちの時間になった。


【後編に続きます↓】

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