短小包茎に悩む主人公が専門クリニックに駆け込んだ先で体験する、羞恥と絶望と――奇妙な開き直りの物語。
カウンセリングルームの向こう側
「秘密厳守ですので、どうぞご安心ください。」
受付で渡された同意書にサインをし、薄暗いカウンセリングルームに案内された。短小包茎に悩み続けた俺は藁にもすがる思いでこの専門クリニックを訪れたのだ。
「初めまして、担当の佐倉と申します。」
入ってきたのは想像以上に綺麗な女性カウンセラーだった。落ち着いた声、優しい微笑み。ただ、その目には一切の感情が乗っていない。まるで医療従事者のように淡々と仕事をこなす空気をまとっている。
「では、さっそくカウンセリングを始めましょう。まずは患部を見せてください。」
「……え、今ここで?」
「はい。状態確認のため、患部の確認は必須です。記録のために撮影もさせていただきますが、映像は厳重に管理されますのでご安心ください。」
逃げ場はなかった。俺は意を決してズボンと下着を降ろす。カメラの赤いランプが点灯した。
佐倉さんは微笑んだまま、メモを片手にじっと見つめる。
「平常時で約3.2センチですね。包皮は完全被覆……色素沈着は軽微。皮膚の皺の入り方は年齢相応です。」
「包茎ですが……剥けますか? 少々確認させていただきますね。」
ビニール手袋を嵌めた指先が、手際よく包皮をずらした。
「……剥けますね。仮性包茎です。」
身体が震えた。自分の一番恥ずかしい部分を、他人の手によって冷静に確認されるという屈辱。穴があったら入りたかった。
「カリ部の露出範囲は…およそ半分程度。皮下結合は緩やか。問題ありません。」
「では、次に勃起時の確認をお願いいたします。」
顔から火が出そうだった。震える手で自身を扱く。やがて、なんとか反応を得た。
「これで目一杯ですか?最大時で……5.4センチ。包皮は再び被覆傾向あり。」
「ここまでありがとうございます。では最後に精子検査のため、採取を行います。サンプルはこの専用容器へお願いいたします。」
俺は思わず硬直した。
「……え?」
「自己刺激でお願いします。採取が完了しましたらお知らせください。」
佐倉さんの目の前で、震える手で皮を扱き始める。柔らかい包皮を指で滑らせながら、根元から先端まで何度も動かす。ちまちまと皮をずらして刺激を重ね、やがて白濁が容器に滴り落ちた。
「採取完了しました…」
「お疲れさまでした。」
佐倉さんは淡々と受け取り、手際よく清拭用のシートで俺の先端を拭き取ってくれた。
その頃、隣室では──
「ちょっとこれヤバくない?ちっちゃ!」
「でもさ、剥けるのかな?」「いや無理じゃない?サイズ的に…あ、あっ、剥けた剥けた!」「ほらピンク!つやつや〜!」
「間違いなく童貞だね~」
爆笑と嬌声が飛び交う。
部屋には複数の女性スタッフが集まり、大画面に映し出された俺の恥部を品定めしていた。
「ぷにぷに具合が最高よね〜」
「私こういうの見ると逆に愛着湧くわ〜」
「いや〜でもここまで小さいの珍しいよ。これ臨床データに残すべきサイズだわ」
「指で押したらすぐ引っ込んで包まれる感じが想像できるよね!」
「ほんと赤ちゃんちんぽだよこれ〜」
また爆笑が起きる。彼女たちは完全に俺を見世物にして楽しんでいた。羞恥も、配慮も、そこには一切なかった。
「やだやだ!今、皮オナしてるよ!」
「え、あれ勃起してるの?かわいすぎでしょ…!」
「うわ〜これが噂の皮オナか〜初めて見た〜!」
「ゆっくり皮ずらしてんの可愛い〜」
「しかもサイズがまた…この小ささで一生懸命刺激してるのが逆に萌えるわ…」
「でも出る瞬間ちゃんと射出してたよね?やだもう、健気!」
「終わったあとにお姉さんが拭いてあげてるのもなんか良いな〜」
「これ、永久保存版だわ。カウンセリング映像最高すぎる!」
開き直り
数日後、自宅に小包が届いた。中には一枚のDVDとメッセージカードが入っていた。
『カウンセリング記録映像(参考用)』
再生すると、あの日の俺の姿が映し出された。隣室の実況もそのまま収録されていた。あの時の爆笑、品評、あらゆるコメントが全て克明に残されていた。
最初は絶望した。だが――
見終えた頃、なぜか肩の力が抜けていた。
「……もう、いいや。」
全て晒された今、俺の羞恥心は限界を超えて消し飛んでいた。短小包茎?結構。笑われた?どうぞご自由に。
——これが、俺の新しいメンタルだった。


💬 ご意見・ご感想はこちらへ。