僕は子供の頃から、湯船に潜るのが好きだった。
とにかく深く、深く。
浴槽の底に頭がつくまで潜り込み、世界の音が遠ざかるあの感覚に浸る。
何度もそれを繰り返し、満足してようやく風呂から上がるのが僕のルーティーンだ。
幼い頃、姉と一緒に湯船に浸かっていた時は「狭いからやめなさい!」とよく怒られたものだが、一人で入るようになってからは誰に気兼ねすることもなく、僕は自由を謳歌していた。
今日も今日とて、僕は湯船の底へと深く潜り続けていた。
肺が限界を迎え、ザバァッと派手な音を立てて水面から顔を出す。
「……あんた、まだそんなことやってんの?」
不意に頭上から降ってきた声に、ビクッとした。
顔の水滴を拭いながら浴室の入り口へ目を向けると、そこには姉が立っていた。
歯ブラシを口にくわえ、心底呆れたような顔でこちらを見下ろしている。
「な、なにやってんだよ!入ってくんなよ!」
慌てて抗議する僕に、姉はシャカシャカと歯を磨きながら、事も無げに応えた。
「あんたこそ何やってんのよ。お風呂から足だけがニョキッと出てて、死体かと思ってびっくりしたわ。だいたい、扉閉めて入りなさいよ。」
ぐうの音も出ない正論だった。
今日はやけに湿気がこもって息苦しく感じたため、扉を開けたままにしていたのだ。
普段はこの時間に誰も来ないはずだという油断もあった。
「う、うるさいな!いいから早く出て行けよ!」
湯船の中に身を沈めたまま言い返すが、姉はどこ吹く風だ。
「あんたさぁ……」
姉がふと口ごもる。
何か言いたげだった。
「……なんだよ。」
すると姉は、少し馬鹿にするように鼻で笑った。
「まだ剥けてないんだね。お子様じゃん。」
血の気が引くのがわかった。見られていた。
潜っている時、無防備に水面へ突き出していたのは足だけではなかったのだ。
「湯船から足が出てる時、一緒にちっこいのも丸見えだったよ?」
ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる姉。
完全にやってしまった。顔が焼けるように熱い。
僕は何も言い返せず、ただお湯の中に顔半分を沈めて、姉を睨みつけることしかできなかった。
「そんなに睨んだって、勝手に剥けたりしないでしょ。」
姉は最後に追い打ちをかけるように笑うと、悠々と口をゆすぎ、脱衣所から去っていった。
換気扇の音だけが響く浴室で、僕は自分の未熟さを突きつけられたような、あまりにも屈辱的な夜を噛み締めていた。
それからの僕は、風呂に入るたびに必死だった。
どうにかして「お子様」を卒業しようと試みるが、いざとなると薄い皮一枚の痛みに耐えきれなかった。
それでもいつか、姉を見返せる日が来ることを願って、僕は日々「包茎」という名の高い壁と格闘していた。
今日も今日とて、僕は先端にシャワーを当てながら、顔をしかめて四苦八苦していた。
「……お風呂場でオナニーするのはやめてよね。」
心臓が口から飛び出るかと思った。
慌てて扉の方を振り向くと、そこには着替えを抱えた姉が、僕をジーッと見ていた。
(嘘だろ……扉は、閉めたはずなのに!)
「ノックしたけど返事なかったから、開けちゃった。」
僕の心中を察したのか、姉は平然と言ってのけた。
これだからデリカシーのない姉貴というやつは。
「でさぁ……本当にオナニーしてたの?」
……こんなこと言う姉なのに、学校だと清楚で通っているらしい。
一体何人の男が騙されているのか。
女という生き物の底知れなさに寒気がする。
「風呂場でそんなことするわけないだろ!」
僕は慌てて手で股間を隠しながら反論した。
……したことはあるけども。
「じゃあ何して……ああ、そういうこと。こないだのこと、まだ気にしてたんだ。」
またニヤニヤと笑い始めた。
恥ずかしい努力を見透かされた屈辱に、体温が急上昇する。
だが、それ以上に不安が襲う。
「仕方ない。優しいお姉ちゃんが一肌脱いであげますか。」
そうなると思った……。
正直なところ、自分一人の力では完全に手詰まりだった。
もう包茎はバレているんだし、姉の手を借りるのもアリなのかもしれない。
……いやナシだろう。
ありえない。頭が沸いているのか、僕は。
「いいよ!自分でやるから出て行けよ!」
僕の叫びにも似た拒絶を無視して、姉は着ていた服を脱ぎ捨てた。
迷いのない動作で下着姿になり、湿り気を帯びた浴室の中へと足を踏み入れる。
実の姉弟だというのに、ドギマギしてしまった自分が情けなくて仕方がなかった。
「さ、お姉ちゃんに見せて?」
にっこりと微笑む姉からは逃げられそうになかった。
いざ見せろと言われて、「はい、どうぞ」と差し出せるはずもない。
僕は必死に姉に背を向け、せめてもの抵抗を試みた。
「もー、背中を向けてたら剥いてあげられないでしょ?諦めてこっち向きなさい!」
「いいから!出て行けってば!」
そんな押し問答を続けていると、姉が大きく息を吸い込んだのがわかった。
「ふんっ!」という気合の入った掛け声とともに、僕が座っていた風呂椅子を強引に回した。
「ズルッ!」という激しい摩擦音を立てて、僕は座ったまま半回転させられた。
気がつけば、目の前には下着姿の姉が立っていた。
一体どんなパワーだ……と呆気にとられている間に、姉は僕の目の前にしゃがみ込む。
「さ、手を離してね。」
にっこりと微笑む姉には、もう抵抗出来ないことを悟った。
どうしてこんなことになったのか。
僕は絶望的な気持ちで、股間を隠していた手を力なく下ろした。
至近距離でじっと見つめる姉の視線に、猛烈な羞恥心がこみ上げてくる。
姉に裸を見られるなんて、こないだの事件を除けば、お互いに毛すら生える前の幼少期以来だ。
確か、姉の胸が膨らみ始めた頃に「一緒に入るのはまずいだろう。」と親が言い出したのがきっかけだった気がする。
あれから姉はすっかり女性らしく成長したのに、僕はといえば……。
「うーん、やっぱりちっこいね。まだ成長途中だから剥けてないのかな。」
姉の遠慮のない言葉が、鈍器のように僕の心を殴りつける。
彼女はためらいもなく指先で僕のそれをつまみ上げると、色々な角度から観察し始めた。
姉にとって、弟のちんちんなんてその程度の扱いなのだろうか。
しかし、今の状況が悪い。
蒸し暑い浴室の中、目の前には薄い下着姿の姉。
そして、思春期になってから他人に触られたことのない僕のそこ。
指先のひんやりとした感触が、皮の奥に眠る神経を過敏に刺激し、僕の意志に反してそれはみるみる熱を帯び、硬く反り上がってしまった。
「……さすがにお姉ちゃんの手で勃起するのはダメでしょ。」
呆れたような声が聞こえた。
姉は特に恥ずかしがることもなく、むしろ面白がるように硬くなったそれを指先でツンツンとつついていた。
「ちょっと、小さくしてくれない?多分、皮の出口が狭いから、勃起したままじゃ剥けないと思うよ。」
姉はさらりと無茶な要求を口にした。
今のこの状況、この距離感で、放置してすぐに収まるはずがない。
だとしたら、自分の手で出せというのか。しかも実の姉が目の前で見守る中で。
さすがにそれは酷すぎる――絶望感に動けなくなっている僕を見て、姉が小さく息をついた。
「まぁ、乗りかかった船か。お父さんとお母さんには絶対内緒よ?」
そう言いながら、彼女は手元のボトルからボディソープを押し出した。
両手を合わせてぬるぬると泡を伸ばす仕草に、心臓の鼓動がさらに跳ね上がる。
どうしようもなく、ありえない展開を期待してしまっている自分がいた。
「洗ってあげるから、その間に小さくしてね。」
姉の両手がそっと僕の股間に添えられた。
右手で熱を持ったそれを優しく握り、左手で陰毛のあたりを丁寧に洗っていく。
陰毛を触られることが、こんなに気持ちいい事だとは知らなかった。
そして、彼女の右手がゆっくりと上下に動き始めた。
「洗う」という名目で行われるその動きは、次第に滑らかさを増していく。
会話がなくなり静まり返った浴室に、グチュグチュという生々しい音だけが反響した。
他人に、しかも姉に扱かれる刺激はあまりに強烈だった。
それほど時間も経たないうちに、僕はもう限界を迎えようとしていた。
「姉ちゃん……もう……」
かすれた声で訴えるが、姉は特に反応を見せない。
あくまで「そこを洗っているだけ」という表情を崩さないまま、右手のギアをさらに一段上げた。
(これは洗ってもらってるだけだ、ただの洗浄なんだ……!)
自分に言い聞かせようとするが、せき止めていた濁流を止めることはできなかった。
不意に腰が大きく震える。
被った皮の奥から、熱い液体がどろりと溢れ出していくのがわかった。
「……そっか。しっかり皮が被ってると、ピュッとは飛ばないのね。」
どこか観察するような彼女の呟きに、姉の性が見え隠れして、なんとも言えないモヤモヤした気分に襲われた。
姉は仕上げとばかりに、僕の股間にシャワーの温水を当てた。
白い泡と共に、僕が放出した精液も流されていく。
僕はどうにか、ちんちんを小さくすることに成功したのだった。
「よし、剥いていきますか。ちょっとシャワー、自分で当てて。」
姉から手渡されたシャワーを、僕は言われるがまま自分の股間へと向けた。
姉の前で、自分のちんちんにシャワーを当てる姿は情けなくもあった。
シャーッという単調な水音の中、姉の指先が再び僕の包皮を捉える。
「じゃあ、剥くから。痛くても少しは我慢してね。」
姉は包皮の先を慎重に広げ始めた。
グイグイと内側から押し広げられる感覚。
走る鈍痛と、粘膜がお湯に触れようとする奇妙な心地よさが交互に押し寄せる。
「うーん……これ、一気に剥いちゃっていい気がする。」
姉が不意に、恐ろしいことを呟いた。
その一言に身がすくみ、恐怖でさらに縮こまった気がした。
「ちょっと目をつぶってて。見てると怖いかもしれないから。」
それは、彼女なりの優しさなのだろう。
けれど、視界を奪われることで、かえって触覚と恐怖は研ぎ澄まされていく。
だが、ここまで来たらもう彼女の手に委ねるしかなかった。
「……おてやわらかに、お願いします。」
僕は絞り出すような声で答え、そっと目を閉じた。
願わくば、次に目を開けたときにしっかり剥けていますように。
「……いくよ。」
直後、ちんちんにびりっと痛みが走った。
「うぐっ……!」と思わず声が漏れたが、姉を信じ必死に耐え続けた。
姉の手が力強く、それでいて鮮やかに皮を押し下げていく感触が伝わる。
「剥けたよ。」
嬉しそうな姉の声に、僕は恐る恐る目を開けた。
そこには、今まで見たこともない鮮やかなピンク色の亀頭が、初めてこの世界の空気に触れて鎮座していた。
「ふふ、私の方が最初に見ちゃったね。」
姉が勝ち誇ったように微笑む。
その瞬間、僕の視界には「剥けた自分」以上の衝撃が飛び込んできた。
跳ねたシャワーのお湯を浴びたせいだろう。姉の白い下着は肌にべったりとはり付き、完全に透けていた。
特に、目の前でしゃがみ込む彼女の股間部分は、黒々とした陰毛の茂みが露骨なまでに浮かび上がっている。
初めて目にする、自分自身の亀頭。
そしてそのすぐ先にある、淫靡に透けた姉の秘部。
このあまりに倒錯した光景に、剥きたてで過敏なはずのそれは、僕の意志を無視して再び猛烈な自己主張を始めた。
「……信じられない。剥けたそばからこれ?」
姉は少し呆れたような表情で、真っ赤に膨らんだ亀頭を見つめていた。
露出したばかりのそこには、積年の垢と先ほど放出した名残がべったりと付着していた。
「お姉ちゃんが綺麗にしてあげるね。」
彼女はそう言うと、浴室の棚から自分のボディソープを手に取った。
絶対に触れるなと口酸っぱく言われていた姉ゾーンに置かれているボディソープを使ってくれたことが嬉しかった。
「これ、おマンコにも使っていいやつだから。おちんちんに使っても全然大丈夫よ。」
ふいに姉の口から飛び出した、『おマンコ』と言う言葉。
姉にとってはなんてこと無い言葉なのかもしれないが、今の僕には刺激が強かった。
姉の指が、ぬるぬると泡立った先端を優しく撫でるように洗っていく。
しかし、粘膜に直接触れられる刺激は想像を絶していた。
「ねえ、せっかく洗ってあげてるんだから、先っぽからまたぬるぬるしたの出さないでもらえる?」
そんなのは無茶な相談だ。
初めて空気に触れた最も敏感な場所を、愛撫するように洗われているのだ。
「仕方ないか。」
そう言いながら、泡を流すためにシャワーを近づけた。
温かなお湯の粒が、剥き出しの亀頭に直接叩きつけられる。
その水圧さえも、今の僕にはあまりに鋭く、そして狂おしいほどの刺激となって突き刺さった。
泡が洗い流され、湯気の中に現れたのは、爆発寸前の熱を持ってガチガチに反り返った僕の「新しい姿」だった。
「これは、痛いのを我慢したご褒美ね。」
姉が静かに囁いた。
その直後、おもむろに顔を寄せたかと思うと、彼女は僕のそれを迷いなく口に含んだ。
「っ!?」
あまりに柔らかく、熱を持った未知の感触に包まれ、背筋に電流が走る。
「ちょっと!姉ちゃん……っ!」
驚きと動揺で叫ぼうとした僕の口を、彼女は空いた手で強引に塞いだ。
「声を出すな」という無言の圧力。
静まり返った浴室に、ちゅっちゅっちゅという、粘膜が吸い付く生々しい音だけが響き渡る。
初めて剥き出しになった、過敏すぎる先端。
そこを逃さず絡めとる、温かく湿ったぬめぬめとした舌の感触。
爆発寸前だった僕に、それを耐え抜く術など残されていなかった。
口を押さえられたまま、言葉にならない悲鳴が喉の奥で震える。
僕は逃げ場のない絶頂へと突き落とされ、姉の口内へ、熱い液体を容赦なく吐き出してしまった。
「……んぐっ!」
姉の喉が小さく鳴り、彼女からも漏れたような声が出る。
射精の余韻が引くのと同時に、ちゅぽっとした音を立てて彼女の唇が離れた。
姉はそのまま顔を背けると、白濁としたものを排水口へと吐き出した。
それを見て、僕は本当に実の姉の口に射精してしまったのだという現実を、逃れようのない事実として突きつけられた。
「もう!出るなら出るって言ってよ!ちょっと飲んじゃったじゃない!」
姉が口元を拭いながら文句を言う。
口を塞いでおいてそれは理不尽だ……。
そう反論したかったが、頭が真っ白で言葉が出てこない。
「……ごめんなさい……」
気づけば、自分でも驚くほど素直な謝罪が口を突いて出ていた。
そんな僕の様子を見て、彼女は「まったく、仕方ないわね」と呆れたような表情を浮かべた。
姉は再び、あの「おマンコ用」のボディソープを手に取った。
今度はもう暴発の心配がない小さくなったそれを、彼女は指先で慈しむように、丁寧に洗い清めてくれた。
もう、一生この人には頭が上がらないだろう。
お湯に打たれ、少し恥ずかしそうに顔を出しているピンク色の自分の一部を見つめながら、僕はそんな確信を抱いていた。
エピローグ
結局、僕はそのまま姉に全身を洗ってもらった。
子供の頃以来の、姉の手による洗体。
くすぐったくて、けれど不思議な安心感に包まれる時間だった。
すべてを流し終えた後、姉は自分の濡れた姿を見下ろして溜息をついた。
「もう、私の下着もびしょびしょじゃない。……仕方ないか。あんたはちょっと湯船に入ってて。」
無理やり湯船に押し込まれ、言われるがまま肩までお湯に浸かる。
すると、目の前で姉がおもむろにブラジャーのホックを外した。
久しぶりに間近で見る姉の胸は、幼い記憶の中のものとは比べものにならないほど、たわわに成長していた。
柔らかな曲線を描く膨らみと、形の良い乳輪。
今まで見てきたどんな画像や動画の女性よりも、その裸体は眩しく見えた。
続けてショーツも脱ぎ捨てられると、さっきまで透けて見えていた陰毛がその全貌を現した。
あまりに美しい「女性」としての姉の姿に、僕はただ見惚れることしかできなかった。
当の本人は、僕の遠慮ない視線など気にする様子もなく、淡々と体を洗い始める。
豊かな胸や下腹部に手が滑るたび、僕の心臓は激しく震えた。
一通り洗い終えると、姉は湯船の縁に手をかけた。
「ちょっと狭いから詰めて。」
そう言って、彼女は当たり前のように僕の前へと入ってきた。
久しぶりの、二人きりの混浴。
「あれ?のぼせちゃった?」
覗き込んでくる姉の顔が近い。
僕の顔はきっと、茹で上がった蛸のように真っ赤だっただろう。
それは熱いお湯のせいか、それとも姉の裸のせいなのか。
それから僕たちは、たわいのない話を始めた。
最近の日常のこと、学校の悩み、好きな女の子のこと。
不思議なことに、裸で向かい合っていると、普段なら照れて言えないようなことも素直に言葉にできた。
お湯が少しぬるくなってきた頃、姉がザバッと立ち上がった。
「よし。今日はいっぱい話せたし、この辺で上がろうか。」
僕の目の前には、黒々とした茂みと、その奥に潜むワレメがはっきりと見えた。
けれど、今の僕は不思議と落ち着いていた。
僕のことを思い、僕のために一肌脱いでくれた姉に対して、これ以上の邪念を抱くのはよそう――そう心に誓ったからだ。
「拭いてあげるから、出ておいで。」
姉が僕の手を優しく掴み、湯船から引き上げる。
立ち上がった僕の、すっかり小さくなって、けれど誇らしげに剥けているそれを見て、彼女は優しく微笑んでくれた気がした。
「たまには姉弟二人きり、裸で話し合うのも大事だね。」
そんなことを言いながら、姉は僕の体を丁寧に拭き、最後にそっと、剥きたての柔らかな皮を元通りに被せてくれた。
湯気と共に消えてしまいそうな、けれど一生忘れられない、特別な夜が終わろうとしていた。
END


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