本作品は『パーソナルジム』の続編となります。
良ければそちらからお楽しみください。

間の作品になります『続・パーソナルジム -ひなたの嫉妬-』はFANBOX限定公開となっております。
良ければそちらもどうぞよろしくです。。

鹿森ひなたは、ベッドの上で悶々と身悶えしていた。
カレンダーに目をやると、すでに7月の半ばを過ぎている。
今月いっぱいで、お兄さんのトレーニング期間が終わってしまうのだ。
それなのに――お兄さんからのアプローチは、今に至るまでまったくと言っていいほど無かった。
(あの時、キスしたんだから……私たち、付き合ってるんだよね?)
デートの誘いどころか、甘い雰囲気すら一切ない。
それどころかお兄さんは以前にも増してストイックにトレーニングに励み、その体は見るからにキレキレに仕上がってきている。
メッセージのやり取りを開いても、並んでいるのは食事制限に関する事務的なアドバイスばかりだった。
もしかして、お兄さんは根が真面目だから、三ヶ月の契約期間が終わるまでは不純な関係を遠慮しているのだろうか。
いや、それにしてもだ。
付き合いたてのカップルといえば、もっとこう、用事もなしにメッセージを送り合ったり、四六時中イチャイチャしたりするものではないのだろうか。
「……もしかして、付き合ってるって思い込んでるの、私だけ?」
そう口にしてみた瞬間、急に胸のざわつきが激しくなった。
よぎるのはあの時のお仕置き。
お兄さんは喜んでくれているように見えたけれど、本当は嫌々合わせてくれていただけだったのだろうか。
「……いや、落ち着け、私。」
深く息を吐き、思考を立て直す。
コースが終わったら、一緒にご飯へ行く約束はちゃんとしてある。
食事制限もひと段落するから、その時は目一杯美味しいものを食べようね、と楽しげに話したはずだ。
なんなら最近のお兄さんは、私の食の好みや嫌いなものまで、細かくリサーチしてくれている。
――待ってよ?もしかしてそれって、関係を綺麗に終わらせるための「最後の晩餐」的なやつなの? ――それとも、私の知らないところで、別の気になる誰かができちゃったとか……?
「……それだけは、絶対に許さないんだから。」
そこまで考えて、私はハッと我に返った。
お兄さんの態度を疑ってばかりで、自分自身が「デートの準備」を何一つ進めていないことに気づいたのだ。
「わかった。お兄さんがその気なら、受けて立とうじゃない。」
デート当日、覚悟しておきなさい。
そもそも、先に「好きだ」なんて思わせぶりな態度を取ってきたのはお兄さんのほうなのだ。
だったら、格の違いを見せつけて、絶対に惚れ直させてやる。
固く決心したひなたは、勢いよくクローゼットの衣装ボックスを開け――そして、絶望に突き落とされることになった。
「……嘘でしょ。」
まともな私服を、ここ数年まったく買っていない事実に直面した。
普段の生活で着ているのは、揃いも揃ってジャージばかり。
言い訳をさせてもらえば、通勤は楽なのが一番だし、気が向けばそのまま走って帰れるから合理的だったのだ。
だが、いくらなんでも初デートにジャージで行くわけにはいかない。
慌てて衣装ケースをひっくり返すと、ようやくの奥底にジャージ以外の服が引っかかった。
しかし、それは何年も前の学生時代に着ていた代物だった。
一応袖を通してみたものの、鏡に映った自分の姿は、どう贔屓目に見ても「どうかしている」としか思えなかった。
さらに、その横にある下着用のケースが視界に入る。
恐る恐る引き出しを開けてみたが、そこには「可愛い」の「か」の字もない景色が広がっていた。
値段と機能性だけで選ばれ、すっかり使い古されてくたびれた下着たち。
万が一、いや、億が一、当日に「そういう流れ」になったとして――こんな締まらない下着を見せられるわけがなかった。
「……終わった。」
ベッドに突っ伏し、完全な絶望に打ちひしがれていた……。
その時、 枕元でスマートフォンの画面が淡く光った。
絶望のままにゆっくりと通知を確認する。
送り主は、親友のみゆきだった。
送られてきたメッセージの内容自体は、本当にたわいもない、どうでもいい雑談だ。
けれど、今の私の目には、彼女が救いの手を差し伸べてくれた神様のように見えていた。
みゆきは、私とは正反対のオシャレな女の子だ。
青春のすべてを運動に捧げた私と、ファッションに捧げたみゆき。
全く違う世界に生きていたはずなのに、なぜか私たちは妙に馬が合い、社会人になった今でもこうして頻繁に連絡を取り合う仲だった。
そんな彼女は現在、下着メーカーに勤めている。
時折、直営店の店頭でお客さんのフィッティングも担当しているらしい。
昨夜、メッセージで今回の事情をざっくりと打ち明けたところ、みゆきは二つ返事で快諾してくれた。
『ちょうど明日、あんた休みでしょ? 私の店に来なさい。なんとかしてあげるから。』
その心強い言葉に心から感謝しつつ、その夜は眠りについたのだった。
そして翌日。私はみゆきが働く店の前に立っていた。
「……うわぁ。」
下着専門店なんて、人生で初めて入る。
みゆきには『ジャージ姿でもいいからとにかく来い!』と言われていたので、本当にいつものジャージで来てしまったのだが――正直、場違い感が半端ではない。
ガラス越しに店内を覗き込むと、そこにはキラキラとしたお姉さん方や女性客がちらほらと見えた。
(……うん、一回帰ろう。出直そう。)
本気で逃げ出そうと踵を返した瞬間、背後から声が飛んできた。
「ちょっと、あんた何不審者みたいなことしてんのよ……。」
振り返ると、そこには呆れ顔のみゆきが立っていた。
仕方ないじゃないか。まさかこんなオシャレな空間だとは思っていなかったのだ。
「だって……どう考えてもこのジャージはおかしいでしょ? こういうお店ってドレスコードとかあるんじゃないの?」
ビビり散らかしながら小声で抗議すると、みゆきはさらに深い溜め息をついた。
「あるわけないでしょ、下着屋よ? 服のほうは後で私が一緒に見繕ってあげるから、まずは下着。ほら、店の入り口でそんな話してるほうがよっぽど恥ずかしいわよ。」
有無を言わさぬ口調で腕を引っ張られ、私はそのままズルズルと店内に連れ込まれてしまった。
……こうなったら、もう腹をくくるしかない。
とびきり可愛い下着を絶対に買ってやるんだから。
そうやって覚悟を決めた私を連れて、みゆきが向かったのは華やかな商品が並ぶ売り場ではなく、店の奥にある広めのフィッティングルームだった。
「ここ、あんたのために貸し切りにしてもらったから。とりあえず服を脱いで待ってなさい。まずはサイズを正確に測っていくからね。」
そう言い残して、みゆきは一度部屋を出ていった。
いつも私がお客さん相手にやっているような流れを、まさか自分の畑違いの場所で、それを身を以て体験することになるとは思わなかった。
観念した私は、ゆっくりとジャージを脱ぎ捨てる。
そして、昨夜衣装ケースの底から引っ張り出してきた、お世辞にも見栄えがいいとは言えない下着姿のまま、みゆきが戻ってくるのをそわそわと待つハメになった。
みゆきはメジャーとカメラを手に、フィッティングルームへと戻ってきた。
そして、私のヨレヨレの下着姿を見るなり、深々とため息をついた。
「あんた……学生時代からまったく変わってないのね。」
直球すぎる言葉に、急に羞恥心がこみ上げる。
もしかして、私が今までモテなかったのって、単に『重い』と敬遠されていたからだけじゃないのかもしれない。
そもそも、女としての根本的なダサさのせいだったのでは……。
そりゃお兄さんも呆れられるか……。
一気にずーんと心が暗くなってしまった。
「ほらほら、落ち込んでないで。まずは写真撮るからそのまま姿勢を正して。」
「え?写真って下着姿?」
これもいつもお客さんに私がやっていることだ。
お店のルールとはいえ、お客さんはこんな気持ちだったのか、と改めて思い知らされた。
結局、正面、サイド、そして後ろ姿と下着姿の私をあらゆる角度から撮影されてしまった。
「じゃあ、次はちゃんと測っていくから、下着も脱いじゃって。」
……やっぱり、脱がないとダメだよね。
まあ、みゆきとは昔から銭湯も温泉も一緒に行く仲だから、今更見せ合ってどうこうという訳でもないのだけれど。
背中のホックをプチッと外すと、窮屈なブラジャーからバストが解放される。
それを見たみゆきが、あからさまに眉をひそめた。
「あんたなんでそんなに鍛えているのに、おっぱいだけはちゃんとあるわけ? 軽く腹立つんだけど。」
確かに、みゆきよりはおっぱいあるかもしれない。
けれど、みゆきはみゆきで背が高くてスレンダーで、モデルみたいに綺麗な体型をしているのだから贅沢な悩みだ。
「はい、下も脱いじゃって。一回、全裸になっちゃおうか。」
カメラを構え直したみゆきが、さらりととんでもないことを言ってきた。
「え?下も?なんで?」
サイズを測るのには上だけで良いような気がする。
「私の言うことが聞けないっていうなら、フィッティングしてあげないわよ?」
「くっ……!」
もちろん、半分は冗談なのだろう。
脱ぐのを拒んだとしても、みゆきはちゃんと私に似合う下着や服を選んでくれるはずだ。
だけど、今の私は『変わりたい』と思っている。
お兄さんの前に自信を持って立ちたいのだ。
今回は、すべてこのプロの親友に委ねよう。
これで、もしお兄さんとの仲が上手くいかなかったら絶対に許さないんだから――。
そう胸に誓いながら、私は下着をすっと足元へ落とした。
「うーん……下の毛は、少し整えた方がいいかもね。」
再び強烈な羞恥心がこみ上げる。
確かに、誰かに見せることなんて微塵も想定していなかったから、ここ最近は完全に伸ばしっぱなしだった。
気がつけば、色々と『女の子として大事なこと』をおざなりにしていたのかもしれない。
そのとき、パシャリとシャッター音が響いた。
「これは私が個人的に楽しむ用ね。」
「……だと思ったよ!」
みゆきは私の写真をコレクションしている節がある。
学生時代から、何度こうしてきわどい写真を撮られてきたことか。
私は私でみゆきのきわどい写真を持っているけどね。
お互いに変な裏切りができないようにという、一種の抑止力だ。
「後でみゆきの写真も撮らせてもらうから、覚悟しておきなさいよ。」
全裸の私とカメラを持ったみゆき。
お互いにこやかにそんな会話を交わしていた。
「さ、時間も無限じゃないし、バストを測っちゃうわ。」
みゆきがメジャーを取り出す。
そこからは一転してプロの顔になり、慣れた手つきで私の胸にメジャーを這わせて数字を取っていく。
真剣な眼差しで手際よく作業を進める姿に、昔っからみゆきはかっこいいんだよな、と心の中で褒めておいた。
「あんたDカップあるのね。そのダサい下着はサイズあっていないじゃない。」
またしても呆れられてしまった。
学生時代は確かCカップだったはずだ。知らぬ間に成長していたらしい。
みゆきが離れた隙に、自分の胸を少しフニフニと揉んでみる。
……うん、自分で言うのもアレだけど、結構いいおっぱいなんじゃないだろうか、と少しだけ自画自賛してみる。
「よし、じゃ下着見繕ってくるよ。ちょっとだけ待っていてね。」
みゆきは足早にフィッティングルームを出ていき、私は一人、全裸で部屋に取り残された。
なんとなく、壁一面の鏡に映る自分の姿を見つめる。
普通の女の子よりも、ずっと鍛え上げられた筋肉質な身体。
「……お兄さんは本当に、こんな身体で喜んでくれるのかな。」
ぽつりと静かな部屋にこぼれ落ちた独り言に、また少しだけ心が折れそうになる。
もう、頼れるのはみゆきしかいなかった。
かわいい下着、 見つかると良いな。
ひなたからファッションの相談をされたときは、正直耳を疑った。
学生時代にあれほど口を酸っぱくしてオシャレを勧めても、「動きやすい服が一番だから。」とまともに聞きもしなかったあの子が、だ。
どういった心境の変化かと思えば、どうやら待望の彼氏ができたらしい。
普段はあんなに明るくてサッパリしているのに、こと恋愛が絡むと急にネガティブになり、ドロドロとした重い本性を見せるひなたを知っている身としては、まずは「良かったね」という祝福の気持ちが湧いた。
……が、それと同時に、大切なひなたをどこの馬の骨ともしれない男にかっさらわれるような、奇妙な嫉妬心というか、独占欲のようなものもフツフツと湧き上がってくる。
勘違いしないでほしいが、私はそっちの気はない。
私にはちゃんと彼氏がいるし、なんなら結婚の約束だってしている。
将来は子どもが3人くらい欲しいよね、なんて具体的な未来の話までしているくらいだ。
ただ、私にとってひなたという生き物は、ある種の「理想の女の子」なのだ。
少し小柄で童顔、すっぴんでもパッチリとした大きな目。
普段の飾らない性格も相まって、まるでお人形さんのように愛らしい。
その上、スポーツで徹底的に絞り込んでいるにもかかわらず、自分の存在をこれでもかと自己主張してくる豊かなバストまで持っている。
その至高のボディラインを、普段はゆるめのジャージで隠しているというギャップもまた素晴らしい。
そんな極上の女の子が、正体の見えない男の手に渡ろうとしているのだから、気が気でなかった。
とはいえ、昨夜メッセージで見せてもらったお相手の写真や、ひなたののろけ混じりの話を聞く限り、男のほうはかなり誠実そうな人物に見えた。
だとしたら、親友である私にできることはただ一つ。
ひなたを私の手で最高に可愛く仕立て上げて送り出してやることだけだ。
……なんだか、嫁ぐ娘を送り出す母親って、きっとこんな心境なのだろう。
両手にいくつかの下着を抱え、ひなたが待つフィッティングルームの扉を開ける。
すると中では、全裸のひなたが神妙な顔で鏡に映る自分の姿を見つめていた。
あんなに自慢の、見事に鍛え上げられた美しい筋肉なのに。
恋をする女の子というのは勝手なもので、今はそのお見事な肉体が「ゴツくて可愛くないんじゃないか」と気になって仕方がないらしい。
めちゃくちゃ綺麗な背中してるっていうのに。
心の中でそう毒づきながら、視線を少し下へと滑らせる。
そこには、小ぶりながらもキュッと上を向いた、いかにも柔らかそうなまん丸のお尻があった。
つい握りしめそうになったけど、どうにか自制出来た。
本能に突き動かされなかった私って偉い。
ひなたの魅力的なお尻に向かって、手を伸ばしたり引っ込めたり。
そんな怪しい往復運動を繰り返していると、鏡越しにひなたの呆れた声が降ってきた。
「……何やってるのよ。戻ってきたなら声かけてよ。」
どうやら鏡越しに私の奇行はバッチリ見えていたらしい。
鏡越しに私の奇行は見えていたけど、なにか必要な作業なのかと思って声をかけるのを躊躇していたらしい
右も左も分からないアウェーな場所で、どうしていいのかわからない様子は見て取れた。
これは……と少しだけ悪い考えが浮かんでしまった。
「あー、ごめんごめん。下着をつける前にね、ちょっとだけ『触診』させてね。」
「触診……?」
そう言いながら、まずは肩のあたりに触れてみる。
ひなたは一瞬戸惑ったような顔をしたが、これが専門店の当たり前なんだと無理やり納得したらしい。
アスリートらしい筋肉はもちろんあるが、そこに女性特有の柔らかさも内包されている。
すごく触り心地がよかった。
そのままおっぱいにも手を伸ばす。
さすがにピクッと体を震わせたが、どうにか耐えているようだ。
おそらくだけど、自分もお客さんとトレーニングする際に結構触っているのだろう。
昔、私もひなたのストレッチに付き合わされて散々触られた経験がある。
「おっぱい柔らか! 久しぶりに触ったけど、やっぱり確実にボリュームアップしてる気がする。私は全然成長しないのに……ずるい!」
悔しいのでしっかり揉んでおこう。
「勝手に成長してたから、よくわかんないよっ……んっ!?」
生意気なことを言うので乳首も摘んでおいた。
急な刺激に声を漏らしてしまったひなたが、かわいくてしかたなかった。
正直なところ、下もじっくり見たかったけどさすがにここはプライベートゾーンすぎるかと思い、下着を渡そうとした。
だが、ひなたの口から、思いもしない言葉が飛び出した。
「あ、あのさ……私のアソコって、変じゃないかな? 前に鏡で見たとき、なんか、変な形のような気がして……」
ハッと顔を上げると、ひなたは目をこれ以上ないくらいギュッとつむり、顔を真っ赤にしながら私の返事を待っていた。
相当な勇気を振り絞って打ち明けてくれたのだろう。
だがひなた、それは私に「どうぞ見てください」と許可を出したようなものだ。
遠慮なく見てあげよう。
「ちょっと確認してあげるから、足を少し開いてじっとしててね。」
口角がニヤリと緩みそうになるのを必死で堪え、私はひなたの股間の前にスッとしゃがみ込んだ。
肩幅ほどに開かれた、ひなたの健康的な両足。
確かにVの部分は処理しろって叱りたくなる茂みっぷりだが、思いの外割れ目の部分は茂ってはいなかった。
中心がちゃんと視認できる程度の、絶妙な生え方だ。
とはいえ、ここも後で手入れは必要だろう。
ワキに関してはほとんど無理矢理くらいに医療脱毛を受けさせた。
さすがにワキ毛の処理はマナーの範疇だと思うし。
ひなたも結局喜んでくれたしね。
ただ、陰毛に関しては、結局個人の好みでしかないと思う。
だから脱毛を強要しなかったけど、やっぱりもう少し勧めた方が良かったかもしれない。
さて、いよいよひなたが一番気にしているであろう、秘密の場所を観察させてもらう。
一緒にお風呂に入ったことはあっても、ワレメなんてまじまじ見る機会ないからね。
改めて観察してみると、ぽってりと肉厚で綺麗な大陰唇が、ワレメをしっかりと閉じ合わせている。
一体これの、どこが変なんだ?
「ちょっと触るよ?」
そっと両手の親指を添えると、ひなたの体がピクッと反応した。
相当我慢しているんだろうなとは思ったが、ここはしっかりと楽しませてもらおう。
ポテッとした柔らかい扉を、指先で優しく左右に開く。
するとそこには、まるでピンクの花びらのように可愛らしく咲いている2枚の小陰唇と、それに優しく包まれたクリトリスの鞘が収まっていた。
「ひなた、これのどこが変なの?腹立つくらいに整っているんだけど。」
「だって……自分で見たとき、なんかグニグニしてて変に見えたんだもん……」
一体何と比較してそう思い込んでしまったのか。
そういえば、ひなたは昔っからえっちな動画に興味があって、結構見ていたはずだ。
「ひなたってさ、エッチな動画見ているんでしょ?無修正とか見たことないの?」
「いやいや!無修正って犯罪じゃないの?そんなの見るわけないじゃん!」
なんでそんなところはクソ真面目なんだよ……と心の中で悪態をついていた。
「わかったわかった。服を買い終わったら、このままあんたの家に行くから。」
「え? なんで?」
「下の毛を綺麗に整えてあげる。そのとき、ついでに私のやつも見せてあげるから。自分がどれだけ贅沢なものを持ってるか、思い知らせてあげるから。」
別に私のものが汚いというわけではない。
ただ、ひなたのように整った形とは違って、私のは普段から少しだけヒダがはみ出しているし、クリトリスも半分くらい顔を覗かせている。
今の彼氏曰く「エッチな形をしてて最高のマンコだ!」らしい。
学生時代は少しコンプレックスだったけれど、彼氏が何度も褒めて愛してくれたおかげで、ようやく自分でも好きになれた大切な場所だ。
綺麗な形をしているひなたのと比較するのは、少し心に傷を負うかもしれないけど、こればっかりは仕方がない。
彼女に勇気を与えるために文字通り一肌脱ぎましょう。
とりあえず、困惑しているひなたのクリトリスを剥いて、中身を確認しておいた。
さすがにここの写真を撮ったら怒るだろうなと思い、泣く泣く彼女の神聖な門を閉じることにした。
「さて、お待ちどうさまの下着だね。いくつか持ってきてあげたけど、正直、私の本命はこれ一択ね。」
みゆきから手渡されたのは、繊細な白のレースがあしらわれた一組の下着だった。
「結局のところ、奇をてらわないで、こういう正統派で攻めたほうが絶対に男ウケがいいと思うのよね。」
なるほど、確かにみゆきの言う通りだ。
いざ服を脱いだとき、あまりに過激でエッチな下着をつけていたら、引かれてしまうかもしれない。
やっぱりプロの親友に相談して大正解だったな――。
そう感心したのも束の間、手元にあるショーツの「布の面積」が妙に少ないことに気がついた。
不審に思って広げてみた瞬間、私は思わず声を裏返した。
「ちょっとこれ……! 後ろ、ほとんど紐じゃないの!?」
可愛らしい白いレースの下着。
だが、その実態はいわゆる『Tバック』と呼ばれるシロモノだった。
「あのねぇ、本当にただの清楚な下着じゃ男の子だって面白くないでしょ? それにひなたはお尻の形が本当に綺麗なんだから、ここは絶対にアピールするべきよ。」
……ここにきて、みゆきに相談したのが本当に正解だったのか、今更ながら強烈な不安が押し寄せてきた。
「いいから四の五の言わずに早く着なさい! こっちだって無限に時間があるわけじゃないんだから!」
みゆきに急かされ、結局その下着を身に纏ってみた。
正面から鏡を見る限り、驚くほど清楚でものすごく可愛らしい。
今までこんなにかわいい下着を買ったことがなかったので、感動すら覚えていた。
だが、鏡に背後を映すとお尻丸出しである。
本当にこれ、お兄さんに引かれないかな……。
「いいじゃん、いいじゃん!かわいいじゃん!」
不安がる私をよそに、みゆきは「ちょっと失礼」とブラジャーの中に容赦なく手を突っ込んできた。
脇や背中のお肉をグイッと寄せて、バストの形を完璧に整えてくれる。
プロの手によって改めて補正された自分の姿を鏡で見つめ直すと、胸は綺麗に収まり、それはまるで「戦闘服」のように見えてきた。
「ねぇ、みゆき……正直なこと言って。これ、本当に私に似合ってる? ――男の人に、可愛いって言ってもらえるかな?」
お兄さんの顔を思い浮かべながら、少し俯き加減に尋ねてみる。
すると、それまでテキパキと動いていたみゆきの手が、ピタリと止まった。
「あ、あれ……? みゆき? 大丈夫?」
声をかけても、みゆきは信じられないものを見たかのように目を見開いたまま、完全に硬直している。
心配になって彼女の頬を軽くペチペチと叩くと、ようやくハッと意識を取り戻した。
「危ない危ない、あやうくひなたを押し倒すところだったよ。はっきり言って今のあなたが落とせない男はいない。断言できる。」
鼻息を荒くして、みゆきは熱弁を振るってきた。
昔からなぜか、みゆきは私のルックスに対する評価が異常に高いんだよね。
褒められるのは素直に嬉しいのだけれど、時折、背筋にえも言われぬ寒気を感じることがあるのは気のせいだろうか。
結局、私はその下着を購入することにした。
やはりそれなりに良いお値段がしたけれど、みゆきの社割という特権のおかげで、かなりお得に手に入れることができた。
その後はみゆき主導でデート用の服を買い揃え、お礼に美味しいご飯をご馳走して、一緒に私の家へと帰宅した。
――もちろん、私のアソコの毛は、みゆきの手によって綺麗に刈られてしまったが。
みゆきが帰ったあと、私は部屋でひとり、今日買ったばかりの下着と洋服を身に纏ってみた。
普段はジャージばかりの私が、あまり買うことのないロングスカート。
歩くたびに裾がひらひらと揺れて、妙に落ち着かない。
普段トレーニングする時は薄着なんだから、あえて足は隠していこう作戦らしい。
そして、シャツは一見清楚なのに、胸の下あたりがしっかり絞られていて、バストが妙に強調されているデザインになっていた。
『ひなたはおっぱいも武器なんだから。アピールしないとダメ。』
そんなみゆきの言葉が脳内に再生される。
『冬だったらもっとかわいい服あるんだけど、これからは夏だからね。一見清楚だけどその実いろいろとエッチな部分をアピールする作戦よ。』
……らしい。
確かにロングスカートの下がお尻丸出しだとは思われないだろう。
スースーしてやけに防御力が低く感じてしまう。
とはいえ、こんなかわいい服を選んでくれたみゆきには感謝しかなかった。
私一人だったらと思うと震えてくる。
シワにならないよう、丁寧に服を脱いでハンガーにかける。
再び下着姿になり、鏡の前に立った。やはり、文句なしに可愛い下着だ。
だが、後ろを向くと相変わらずお尻が大胆に主張している。
本当にこれを穿いてデートに行くのだろうか……。
落ち着かなくて自分でお尻を揉んでいると――なぜかお兄さんに触られているような、不思議な錯覚に囚われてしまった。
「あ、ダメだよお兄さん……。私たち、まだ初めてのデートだよ……?」
ずっと繰り返していた妄想に、じわじわと脳が支配されていく。
一度その感触や匂いを知ってしまったせいで、妄想は以前よりもずっと鮮やかに色づいていた。
私の意思とは裏腹に、熱を持った左手が、自分の胸をガッと掴む。
「ちょっと……初めてなんだから、優しくしてよ……」
自分でも驚くほど女の子らしいセリフが口から漏れる。
ゆっくりと胸を揉みほぐしていく。
その手つきは、荒々しい男性のそれというよりは、どこか優しく、女性のもののように繊細に感じられた。
――私の妄想は、つい数時間前まで一緒にいた親友までも巻き込み始めていた。
「み、みゆき……ダメだよ、私たち親友だよ……?」
昼間、あのフィッティングルームで揉まれたときのような手つきを、自分の指先でなぞっていく。
そして、あの時と同じように、きゅっと乳首を摘み上げた。
「はうっ……!」
自分でやったはずなのに、まるで本当にみゆきにつままれたような激しい快感が走り、背中が跳ねる。
お尻を愛撫するお兄さんと、胸を容赦なく責め立てるみゆき。
二人の大切な人に挟まれ、翻弄されているような、あり得ない妄想。
そして、お尻をなぞっていた右手は、ついに最奥のプライベートゾーンへと侵攻を開始した。
「お、お兄さん、そこは……っ!」
買ったばかりの、まだおろしたてのレースの下着。
その上から、私の一番敏感な場所に指先が触れる。
薄いレース越しに伝わる直接的な刺激に、閉じられていた口はゆっくりと開かれていく。
下着のクロッチ部分が、みるみるうちに熱い湿り気を帯びて広がっていった。
耐えきれなくなって、ショーツの紐をそっと横にずらす。
昼間、みゆきにそこを観察されたときの羞恥と興奮がよみがえり、脳がクラクラとした。
緩んで口を開きかけていたそこを、指先でクパッと左右に押し開く。
まるで、お兄さんとみゆきの二人が、興味津々で私の秘部を覗き込んでいるかのような錯覚。
「いや……恥ずかしいから、見ないで……」
呟きとは裏腹に、指先はそこをさらに大きく押し開いていく。もう、中まで全てを曝け出してしまっているような感覚だった。 いっそ中に指を挿入れてしまおうかという衝動が首をもたげたが、本能がそれを拒んだ。
「お願い、初めては……お兄さんが……」
その願いに応えるかのように、指先は中へ進むのをやめ、代わりにクリトリスの鞘をそっと押し上げた。
びくん、と全身が激しく震える。
みゆきに剥きあげられたあの時の記憶が蘇る。
「そこは……触っちゃダメ……っ!」
中に挿れなかった代わりとばかりに、指先が容赦なくそこをピンポイントで責め立てる。
まるしてみゆきにいじめられているかのように、激しく、的確に。
片手はクリトリスを執拗に転がし、もう片手は乳首をせわしなく弄る。
二箇所から同時に押し寄せる強烈な快感の波に、抗う術などあるはずもなかった。
「ダメ……ッ! イッちゃう、あ、あぁ……!?」
悲鳴のような叫びと共に、腰がガクガクと激しく痙攣した。
ベッドの上で、まるで腰だけを突き上げるように綺麗なブリッジの姿勢のまま、私は今までにないほどの激しい絶頂を迎えていた。
やがて力が抜け、マットレスへと腰が落ちる。
敏感な場所から両手が離されたあとも、あまりの快感の余韻に、しばらくはハァハァと荒い息を繰り返すことしかできなかった。
そして、少しずつ頭の中が落ち着いてくると、ふと気づいてしまった。
股間が妙に生暖かいことに。
慌てて体を起こすと、横にずらしたショーツはしっかり股間におさまっており、これでもかと言わんばかりに溢れ出た愛液を吸っていた。
「嘘……でしょ……」
急いで脱いだものの、完全に後の祭りだった。
ビチャビチャになってしまった下着が私の手の中にあった。
完全な絶望感に苛まれていたその時、枕元でスマホが光った。
画面に目を落とすと、タイミングが良いのか悪いのか、みゆきからのメッセージが表示されていた。
『服、一人でちゃんと着られた? さっき写真撮り忘れちゃったから、もし着てたら自撮り送ってよ。』
呑気な親友の文面に、私は涙目で、震える指を必死に動かして返信を打ち込んだ。
『みゆき、どうしよう。下着、汚しちゃった……』
送信ボタンを押して数秒もしないうちに、画面が通話へと切り替わった。
慌てて通話ボタンを押して耳に当てる。
「もしもし、ひなた!? 下着汚したってどういうこと、何があったの!?」
「……あの、……して……。」
「声が小さくて聞こえない! あんた、恥ずかしいことがあるとはっきり喋らなくなる癖、そろそろどうにかしなさい!」
受話器の向こうから容赦ない一喝が飛んでくる。
もう隠し通すことはできない。
私は観念して、消え入りそうな声で真実を白状した。
「……だから、可愛い下着姿の自分を見てたら、ついつい一人で盛り上がっちゃって……」 「…………。つまり、オナニーして汚したってこと?」
いくらなんでも、そんなハッキリ言わなくてもいいじゃないか。
……まあ、一文字も間違っていないから反論のしようもないのだけれど。
しばしの沈黙のあと、受話器の向こうから、今日一番の深いため息が聞こえてきた。
「はぁ……。なんか危ない目にあったかと思ったじゃない。そんなもん、とっとと洗っちゃいなさいよ。」
本当に真っ直ぐな正論だった。
だけど、私にとって問題はそんなに簡単ではなかったのだ。
「だって……こんな、自分でエッチなことに使って汚しちゃったパンツなんて……デートに穿いていけないよ……」
涙声の私に対して、みゆきはもう一度深いため息をついた。
「……わかったわかった。新品を用意してあげるから。その代わり、新しいのはデート当日まで絶対に開けずにしまっておくこと。いい?」
やっぱり、持つべきものは持つべきものは親友だ。
あまりの優しさに、携帯を握りしめたまま拝みそうになる。
「ありがとう……今度、また美味しいご飯奢るからね。」
そんな言葉に、みゆきはビシッと力強い声で告げた。
「今はそんなこと考えないで良いから、当日はいつもの明るいひなたでいくこと。お礼は全部上手くいってから考えるわ。」
結局、最後の最後までみゆきに頼りっぱなしだったことを、思い知らされてしまった。
エピローグ
無事、三ヶ月に及ぶパーソナルトレーニングの最終日を迎えた。
当初掲げていた目標数値は余裕でクリアできていた。
二人で手を取り合って喜び、そして約束通り、コース終了のお祝いを兼ねた食事へと行くことになった。
お互い休みの日、昼食を取る事になった。
待ち合わせは駅前の噴水の前。
ベタだけど、わかりやすいし良いだろうと親友に言われたからでもある。
今日のためにびしっと新調した私服も、その親友のコーディネートを丸々受け入れたものだった。
しかたないだろう、今まで女の子とちゃんとした「デート」なんてしたことがなかったのだから。
餅は餅屋だ。モテる親友に全てを託した。
『昔のお前ならともかく、今の体型なら似合う服なんていくらでもあるぞ』
そう言って親友が背中を押してくれたのは、素直に嬉しかった。
駅に到着したのは、待ち合わせ時間の20分前だった。
さすがに早すぎたかとは思ったが、遅刻するよりはいい。
そのまま噴水広場へと向かうと、そこにはすでに一人の女性が佇んでいた。
ひらひらとした、いかにも女の子らしい可憐なロングスカートを穿いた女性だ。
あの人も、友達か彼氏でも待っているのかな?と思いながら、少し離れたベンチに腰を下ろした。
「ひなたちゃん、ちゃんと来てくれるかな。」
少しばかりの緊張と不安を抱えながら、腕にはめたスマートウォッチで時間を確認する。
そのとき、すぐ目の前で影が止まり、声が降ってきた。
「……ちょっと、お兄さん。なんで私のこと、無視するの?」
バッと顔を上げると、先ほどのかわいい服を着た女性が話しかけて来た。
よくよくその顔を見つめる。――どう見ても、ひなたちゃんその人だった。
普段のボーイッシュなジャージ姿からはおよそ想像もつかない、清楚で、驚くほど可愛い洋服。
さらに、いつもはすっぴんのはずの顔に、薄く化粧まで施されている。
あまりのかわいさに完全に言葉を失い、俺の身体は文字通りカチコチに硬直してしまった。
すると、俺の無言の反応に不安を覚えたのか、ひなたちゃんは恥ずかしそうにロングスカートの裾を少し持ち上げながら俯いた。
「……やっぱり、私にはこういうの、似合わないかな?」
その消え入りそうな呟きに、私の意識が急覚醒する。
「そんなことない! もの凄く似合ってるよ! びっくりするほど、本当にかわいいよ!」
思った以上に大きな声が出てしまい、周囲の通行人の視線が一斉にこちらに集まった。
それに気付いたひなたちゃんは、俺の手を掴み、勢いよく駆け出した。
「お兄さん、恥ずかしいって!」
引っ張られるままに走る。
だが、走りながら振り向いたその表情は満面の笑顔だった。
ひなたちゃんも俺とのデートで気合いを入れてくれてきてくれたことが本当に嬉しかった。
恋の成就を確信しながら、俺は彼女の手を強く握り返して走っていた。
――ちなみに。
デートの終盤、俺は一世一代の覚悟を決めて、「俺と付き合ってください!」とストレートに告白した。
すると、すごく驚かれてしまった。
「え?私たちって本当に付き合っていなかったの?」
「えっ?」
どうやら、あのキスの一件から、重大なすれ違いが起きていたらしい。
恋愛経験が乏しすぎて、告白しないと付き合えないと思い込んでいた俺の落ち度でもあった。
ひとしきりお互いの勘違いを笑い合ったあと、ひなたちゃんはいたずらっぽく笑って、俺に向かって手を伸ばした。
「これから、いっぱいイチャイチャしようね、お兄さん。」
END


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