【創作羞恥小説】二人の秘密

同級生

友人の優美が、彼氏に振られたらしい。
ついさっき、泣きながら電話をかけてきて、そのまま居酒屋に直行することになった。

正直、彼とのラブラブアピールは見ていてうっとうしかった。
でもまあ、初めての彼氏だったらしいし、浮かれていたのも仕方なかったのだろう。

優美は顔は可愛いし、スタイルだって悪くない。胸だって大きい。
それでも振られたというのだから、最初はちょっと不思議に思った。

けれど、泣きじゃくりながらこぼす愚痴を聞いているうちに、理由はなんとなくわかった。
「わ、わたしはごんなに愛していだし、尽くしていだのに~」
──そうやって相手に全力をぶつけるその“重さ”が、きっと彼を疲れさせてしまったのだろう。
けれどそれを言ってしまえば、火に油を注ぐだけだ。私は黙って頷くだけだった。

私ひとりでは手に負えそうになかったので、共通の友人である深雪にも連絡を入れた。
これが、悪かった。

最初こそ深雪も一緒になって優美を慰めていたが、酒が進むにつれて空気が怪しくなってきた。

「私だって、フラれたばっかりなのに……。なんで慰めなきゃいけないのよ……」

そう呟いた深雪の目は、どこか危うい光を帯びていた。
変なスイッチが入ってしまったのがわかる。

優美も深雪も、止める間もなく、どんどん酒をあおっていく。
酔いが回り、ふたりとも、まともな会話もできないほど泥酔していた――。

二人とも、完全に酔いつぶれてしまっていた。

「もう、帰るよ」
声をかけても、「う~ん…」だの「あと10分…」だのと、はっきりしない返事ばかり。
私だって少しは酒が入っている。とてもじゃないけど、この状態の二人を抱えて帰るなんて無理だ。

困り果てていたところで、ポロン、とスマホが鳴った。
チャットアプリの通知だ。
《明日の提出物なんだっけ?》
送ってきたのは、最近よく話すようになった竹内くんだった。

――これは、渡りに船かもしれない。

彼はこの居酒屋の近くに住んでいるはずだ。すぐに、私は短くメッセージを送った。
《タスケテ》
《○○(居酒屋の名前)にいる》

反応は早かった。ものの数分で、彼が現れた。

「なにがあったの……?」
酔い潰れた優美と深雪を見下ろし、呆れたように眉をひそめる。

「ごめん、もう居酒屋の時間終わりそうでさ……一旦、竹内くんの家に連れて行ってもいい?」
正直、図々しいお願いだとは思った。でも、背に腹は代えられない。

彼は一瞬だけ言葉に詰まったものの、やがて頷いてくれた。

「……まあ、仕方ないか。うちでいいよ。」

これはもう、相当なお礼を覚悟しないといけない。
そう思いながら、私はぐったりした二人をどうにか引きずり、竹内くんの家へと向かった――。

どうにかして二人を家まで運び込み、まずは深雪をリビングの隅に寝かせた。
次に、優美を引きずるようにして居間へと運んだ――その瞬間だった。

「うっ……!」

突然、優美が身体を起こし、盛大にリバースした。
その勢いで、先に寝かせていた深雪のシャツや足元にも飛沫がかかってしまい、部屋はたちまち酸っぱい匂いに包まれる。

「ご、ごめんなさい! 本当にごめんなさい!」

私はあわてて謝りながら、タオルや雑巾を探した。
すぐに竹内くんが何枚かのタオルを手に持って戻ってくる。
ほとんどの汚れは優美の服にかかっていた。

どうにか床や足元を拭き終わり、再びすやすやと眠ってしまった二人を見下ろす。
相変わらず、吐いたことなど忘れたような安らかな寝顔だった。

「……優美ちゃんの服は、さすがにこのままじゃ無理だよな。」

竹内くんがぽつりとつぶやく。

「ほんとにごめんね。優美をお風呂に入れたいから、ちょっと浴室借りてもいい? 洗濯機も……」
言いながら、自分でも信じられなかった。初めて来た男性の家で、なんてお願いをしているんだろう。

(酔いが覚めたら、あの子絶対に詰めてやる……)

心の中でそう毒づきながら、優美を浴室へ引きずっていく。

「細いくせに……力が入ってないと、こんなに重いのね……」

ようやく脱衣所に辿り着いたが、私の腕も限界だった。
さっきから片付けをしている竹内くんに向かって、私は振り返りながら声をかける。

「竹内くん……ちょっと、手伝ってもらえないかな?」

彼は少しだけ目を丸くして、クエスチョンマークを浮かべたような表情を見せたが、すぐに私の意図を察したらしい。
そのまま、私は彼を脱衣所へと連れて行った――。


最近よく一緒にいる奏ちゃんから「ちょっと手伝って」と呼ばれた。
洗濯機の使い方でも分からないのかなと思いながら、脱衣所へ向かう。

そこには、ぐったりと眠っている優美ちゃんの姿があった。
かわいい子だが――さすがに、ゲロまみれでは見る影もない。

「ごめん、服脱がすの手伝ってもらえる?」
奏ちゃんが、ごく普通のことのように言った。

……は? 今、なんて?

「いやいや、さすがにそれはダメでしょ!」
思わず声が裏返った。酔ってるのか、この人。

「いいのいいの。どうせ寝てるから、何されても覚えてないって。」
奏ちゃんはどこか苛立ったような口調だった。

「そう……これは罰。彼氏のいない私に延々と彼氏自慢して、そのあげくフラれて私に迷惑をかけた罰……」

ぼそぼそとつぶやくその姿に、思わず息をのむ。
怒っているというより、どこか変なスイッチが入ってしまっているようだった。

反論しないほうがいい――そう本能が告げていた。
それに、正直に言えば、こんな機会を逃したくもない。
なんせ俺は、まだ童貞だ。

「……わかった。あまり見ないようにするから、さっと脱がそう。服は洗っとくよ」

「ありがとう」
そう言って奏ちゃんが笑った。
ぱっと花が咲くような笑顔に、何も言えなくなってしまった。

「じゃ、まず吐いたのが落ちないように、上から脱がせていきましょう」

奏ちゃんがそう言って、優美ちゃんの服に手を伸ばす。
吐しゃ物がこぼれないように丁寧にくるみながら、上着をそっと脱がせていった。

露わになったのは、薄いピンク色のブラジャー。
形のいい、しっかりとした胸に、思わず目が釘付けになる。

「……竹内くん、見すぎ」
奏ちゃんがぴしゃりと指摘する。視線を逸らすも、彼女の目がちょっと怖かった。

「仕方ないか、竹内くん、童貞だもんね」

「ど、どど、童貞ちゃうわ!」

思った以上に動揺してしまった。
その様子に、奏ちゃんはくすっと笑う。

「あら、本当に童貞だったんだ? ふふ、可愛い。」

やっぱり、奏ちゃんも結構酔っているらしい。
普段なら絶対にこんな冗談、口にしないはずだ。

「じゃあ、童貞くんにスカートを脱がす栄誉をあげましょう。」

……え? マジで?

動揺しながらも、促されるままに手を伸ばす。
スカートの横のホックを外し、奏ちゃんが腰を軽く持ち上げたところで、僕はそっとスカートを引き抜いた。

露わになったのは、ブラとおそろいのレースのパンツ。
柔らかな太もも、腰のライン、目のやり場に困る。

「……竹内くん、腰引けてるよ。」

「し、仕方ないだろ……」

「それにしても、優美、フロントホックじゃん。外せる?」

奏ちゃんは少し小馬鹿にしたような声で言ってきた。
からかわれているのは分かってる。けど、ここで引くのも悔しい。

「なめんなよ!」

意を決して手を伸ばし、恐る恐るホックに指をかける。
カチッと小さな音がして、ブラが外れた。

――そして、いよいよ初めてのおっぱいとご対面――かと思った、その瞬間。

「残念でしたー♪」

奏ちゃんがサッと手を差し入れて、優美ちゃんの胸を手のひらで覆った。
手ブラの形で、しっかりと。

「童貞くんにはまだ早いよ?」

ニヤニヤと笑いながら、彼女はそう言った。

あからさまに落胆した僕の顔を見て、奏ちゃんがくすっと笑った。

「仕方ない。優美にも罰が必要だからね。でも――お触りは禁止よ?」

そう言っていたずらっぽく微笑むと、彼女は手ブラの形をほどき、ゆっくりと手を離した。

そこに現れたのは、まるで神々しいまでのバストだった。

大きくて、形もいい。やや大きめの乳輪は薄いピンク色で、まるで作り物のような完璧さだった。
呼吸に合わせてわずかに揺れるその柔らかそうな膨らみに、僕は息をするのも忘れていた。

「……手で押さえてて思ったけど、優美って、陥没乳首だったのね。」

奏ちゃんがぽつりとつぶやく。

そう――巨乳にはよくあると言われる、それだった。
中心が少しだけ窪んでいて、先端が見えない。

まじまじと見つめる僕たち。
恥ずかしいのはこっちのはずなのに、目を逸らすことができない。

「……出てくるのかな?」

奏ちゃんが不意に、そのくぼみに指先を伸ばした。
軽くつつくように、なぞるように、柔らかく触れる。

僕は鼻血が出そうだった。

「あ、こんにちは。」

奏ちゃんがそう言った時、くぼみの奥から、わずかに乳首が顔を覗かせていた。
少しだけ盛り上がったピンク色の先端――

もう、目を離すことなんてできなかった。


「じゃあ、ラストね。」
そう言いながら、奏ちゃんが優美ちゃんの腰をそっと持ち上げた。

「パンツ、脱がせてあげて。でも……まじまじと見ちゃダメよ?」

そんなの無理だ、と思った。
だけど、逆らえるはずもない。
生まれて初めて、女の子の下着に指をかける。
この瞬間のために生きてきたと言っても、過言じゃない。

緊張で手が震えるのを抑えながら、ゆっくりとパンツを下ろしていく。
さらっとした布地が太ももを滑り、やがて足元へと抜けていった。

そこにあったのは、思っていたよりも……濃い。

予想以上の剛毛だった。

ふわりと広がる陰毛に、ワレメの輪郭はほとんど見えなかった。
だがその毛深さが、なぜかたまらなく扇情的で――言いようのない興奮がこみ上げてくる。

(……すげえな)

心の中でそう呟いたきり、言葉を失った。
ずっと憧れていた“女の子のアソコ”に、こんなにも自然と惹かれてしまうなんて。

「優美……もうちょっと、処理しないと……恥ずかしいぞ……?」

奏ちゃんが眠っている優美ちゃんに話しかけていた。
もちろん、彼女に届くことはない。
すやすやと眠る顔は、どこまでも穏やかだった。


「竹内くん、竹内くん。ちょっと、見て」

奏ちゃんが呼ぶ声に振り向くと、彼女は優美ちゃんの足の間に手を添えていた。
無防備に投げ出された脚、その中心――そこに、指がそっと触れている。

「……くぱぁ♥」

「ぶふぉっ!?」

あまりに唐突すぎて、変な声が出た。

パンツを脱がされてもなお、濃い陰毛に隠されていた“神秘の扉”が、
その手によって、音付きで開かれていく。

「くぱぁ」などという下品な擬音と共に。

「……もしかして奏ちゃん、けっこう酔ってる?」

見た目は至って正気そうなのに、やってることは完全にアウト。
その指先で、奏ちゃんは“そこ”をクパクパしながら、当てレコを始めた。

「よ・ご・し・て・ご・め・ん・な・さ・い……♥」

まさかと思ったけど、妙に口調が合っていて笑いそうになる。

“下の口”とは、よく言ったものだ。

幸せそうにすやすや眠っている優美ちゃんと、
対照的に、ピンク色のそれはやけに饒舌に見えた。

「さて、遊んでばかりもいられないし――お風呂に入れますか。」
奏ちゃんがそう言って、僕に振り返る。

「竹内くん、ちょっと肩を貸して。」

言われるまま、ふたりで優美ちゃんの身体を支えながら、浴室へと運ぶ。
眠ったままの彼女の体はぐったりと重く、それでいて体温がじんわりと肌に伝わってくる。

「服、濡れると困るから……私も一緒に入りますか。」
奏ちゃんがぽつりと呟くと、その手は自然な仕草でシャツのボタンにかかっていた。

思わず、目が離せなくなる。

(嘘だろ……)

「……竹内くん? 私の裸も見たいの?」

ニヤリと口元をゆがめながら、そんなことを言われた。
冗談めいていたけれど、その声はやけに色っぽかった。

「わ、悪い! 俺ちょっと戻ってる!!」

思わず浴室を飛び出す。
玄関へ逃げたわけでもないのに、なぜか心臓はバクバク鳴っていた。

居間に戻ると、深雪ちゃんは変わらずすやすやと寝息を立てていた。
その穏やかな寝顔とは裏腹に、僕の下半身はもう限界寸前だった。

「もう……ダメだ。これ以上は、理性がもたない……」

息を荒げながら台所へ向かい、冷蔵庫を開ける。
そこにあったのは、“いざという時”のために買っておいた高アルコールの缶チューハイ。
度数9%、500ml。

「しらふでやってられるか……!」

プシュッと缶を開け、そのまま口に流し込む。
冷たい液体が喉を焼きながら、胃へと落ちていく。

けれど、火照った体も、疼く欲望も――
全然、冷めてくれなかった。


深雪ちゃんの寝顔を眺めながら、二缶目のチューハイをちびちびやっていた。
高アルコールの一缶目では全然足りなかった。理性を鈍らせるには、まだもう少し必要だ。

すると、浴室のほうからドアの開く音がした。

「ただいまー。」
現れたのは、しっかり服を着直した奏ちゃんと、バスタオル一枚だけを巻かれた優美ちゃん。
肩を支えられながら戻ってきた優美ちゃんは、あれだけ体を洗われたというのに、まだ目を覚まさないようだった。

そのまま無造作に、畳の上へごろんと寝かされる。
バスタオルの隙間から覗く肌がまぶしくて、思わず目をそらした。

「……あれ? お酒飲んでるの? 私にも一本ちょうだい。」

「まだ飲むの?」

呆れつつも、冷蔵庫を開けてアルコール控えめのチューハイを取り出し、奏ちゃんに手渡す。

「いやー、寝てる人洗うのってめっちゃ大変。最初はさ、軽く流すだけのつもりだったんだけどね」
缶を開けながら、奏ちゃんは気軽な調子で話し出した。

「でも……大事なところ洗ってあげたらさ、ピクピクしだして面白くて。」
「え?」

「だから、ビクビクするまで徹底的に洗ってあげちゃった♡」

あっけらかんと、むしろ楽しげに言ってのけるその姿に、言葉を失う。
あまりに自然すぎて、冗談か本気かの判別がつかない。
でも――あの優美ちゃんがビクビク……って。

(……もしかして、奏ちゃんって……そういう趣味、ある……?)

頭の中に、そんな考えがよぎる。

「さて――もうひとりはどうしますかね?」

寝息を立てている深雪ちゃんに目を向けながら、奏ちゃんが缶を傾ける。
視線の奥が、どこかイタズラっぽく光っていた。

「うん。よし、深雪も同罪だ。汚れた服を脱がして、洗濯機にぶち込んでやりましょうか。」

悪戯っぽい口調でそう言いながら、口元をニヤリとゆがめる奏ちゃん。
小悪魔のツノと尻尾が、本当に見えた気がした。

(……もう、完全に酔ってるのかもしれない)

自分がか、それとも彼女がか。
分からないまま、僕はまた缶を一口、喉へと流し込んだ。

奏ちゃんが軽くストレッチでもするように肩を回してから、深雪ちゃんの方へ歩み寄る。
彼女はいまだに微動だにせず、穏やかな寝息を立てている。

「ほんとこの子、普段はガードが堅いのよね。」
そう呟きながら、奏ちゃんは深雪ちゃんのシャツのボタンに手をかけた。

「誘ってもすぐには乗ってこないし、距離感もちゃんとしてるし。優美みたいに隙だらけってわけじゃないの。」
上から順に、ひとつずつボタンを外していく。
カチ、カチ……と軽い音とともに、少しずつ素肌が露わになっていく。

「でも、だからこそ……こういう姿はレアかもね」

すべてのボタンを外し終えた奏ちゃんは、丁寧にシャツを脱がせていく。
現れたのは、上品で落ち着いたデザインのブラジャーと、白くすべるような肌。

シャツをふわっと畳むこともなく、奏ちゃんは手に持ったまま僕に差し出した。

「はい、これもお願い。ちょっと汚れてるから、洗濯しておいてね」

「あ、うん……」

僕は受け取ったシャツを持って洗面所へ向かい、水で軽く流してから洗濯機へ。
汚れは少しだったが、匂いはまだ残っていた。
酸っぱいにおいに混じって、ふわりと甘い香りが鼻をかすめる。

(……深雪ちゃんの匂い、なのか……)

無意識のうちに、少しだけ深く鼻を近づけそうになって、慌てて洗濯機に放り込む。
蓋を閉めかけたとき、視線の先に――それは見えた。

あれは……優美ちゃんの、パンツ。
レースのついた、小さくて可愛らしい下着が、洗濯槽の底で絡まっている。

一瞬、手が動きそうになった。

ほんの少しだけ、指先が浮く。

(……触るだけなら……)

そんなささやきが頭の中をよぎった――その瞬間。

「竹内くん」

「うわっ!」

肩が跳ねた。
心臓が跳ね上がる音が、耳の奥で鳴る。

いつの間にか背後に立っていた奏ちゃんが、すぐ後ろから声をかけてきた。

「これ、パンツ。ちょっと汚れてるから、これもお願い」

差し出されたのは、深雪ちゃんの履いていたズボンだった。
さっきまで“パンツ”と聞いてドキッとしてしまった自分が、恥ずかしくなる。

「う、うん。了解……」

余計なことは考えず、ズボンをそのまま洗濯機に入れた。

深雪ちゃんは、まだ寝息を立てていた。
奏ちゃんにシャツを脱がされ、ズボンも下ろされた彼女は、今は上下おそろいの下着姿で畳に横たわっている。
シンプルだけど上品な淡いブルーのセット。
白い肌に溶けるように馴染んでいて、見ているだけでドキドキする。

奏ちゃんが僕の耳元でささやいた。

「……竹内くん、今日のことは――二人だけの内緒ね?」

その声に、背中がぞくりとした。

奏ちゃんはそう言いながら、深雪ちゃんの上体をそっと起こし、自分は背後へと回り込む。

「だって私たち、もう共犯者でしょ?」

ブラのホックに手をかけると、カチリと音を立てて外す。

静かな部屋に、その小さな音が妙に響いた。

ふわりと布が落ち、小ぶりの胸がぷるんっと解き放たれるように現れる。
丸みを帯びた柔らかなラインと、しっとりとした肌の質感。
まるで彫刻のように整った、文句のつけようのない美しさだった。

「……初めて見たけど、ちょっと嫉妬しちゃうくらいキレイな体してるね。」

奏ちゃんがぽつりと呟いた。

「この子を振るなんて……いったい、どんな男だったのかしら。」

僕は何も言えず、ただ見つめていた。
その姿から目を逸らすことなど、できるはずもなかった。

奏ちゃんが、深雪ちゃんの腰の下に手を差し入れ、軽く持ち上げた。

「さ――パンツを脱がせなさい。」

その声はいつもの奏ちゃんと違っていた。
目の奥にあった理性の光が、今はどこか遠くに感じられる。

でも、それはきっと僕も同じだったのだろう。

意識しないようにしながらも、指先に集中してしまう。
パンツの両端をそっと持って、布地をゆっくりと下ろしていく。

現れたのは、ただただ美しいそれだった。

「……さすが深雪。優美と違って、ちゃんと処理してるわね。」
奏ちゃんが、少し皮肉めいた声で言う。

産毛のひとつもない、完璧なまでに整えられたその場所。
何も隠されていない分、逆に目が離せなかった。

肌のきめ、形、色、すべてが美しくて――
ぴったりと閉じたその形は、まるで誰も通さぬ門のように、静かにそこにあった。

「……本当に、キレイだ。」

つい、呟いてしまった。

その瞬間、隣にいた奏ちゃんが、ぴくりと眉を動かす。

「……でもね? 開いちゃったら、みんな同じなのよ。ほら」

そう言うと、奏ちゃんは深雪ちゃんの両脚を軽く持ち上げて、ゆっくりと角度をつけていく。
そして――

両手で、その“門”を左右に開いて見せた。

静まり返った空気の中で、その瞬間だけ世界が止まったように感じた。

そして――

その門の下にある蕾ですら、美しかった。

まるで彫刻のような曲線。呼吸すら忘れるほど整ったその形は、
見る者を拒むどころか、すべてを見せてなお、気品すら纏っていた。

僕はただ見惚れるしかなかった。
何も言葉が出てこなかった。

そんな姿を目の当たりにして、奏ちゃんは明らかにショックを受けていた。

「ずるいじゃない! なんで美人で、スタイル良くて、ここまでキレイなのよ! どれかひとつくらいよこしなさいよ!」

完全に酔っている。
そう確信できるほど、奏ちゃんは暴走していた。

「……ほら、肩持って! お風呂に連れて行くよ!」

僕が家主だということは、もうどうでもいいらしい。
逆らう余地などなく、僕はおとなしく肩を支えた。

こうして、二人は浴室へと消えていった――。

お風呂から戻ってきた奏ちゃんは、どこか妙につやつやしていた。

頬は少し赤く、髪は湯気を含んでふわりと揺れている。

「やっぱり深雪も女ね。三回くらいはビクビクさせてやったわ」

それがどういう意味なのか――深く考えないことにした。
いや、考えたくない。

でも、あのクールで美人な深雪ちゃんが三度も……。
どうしても、頭の隅に映像がちらついてしまう。

(……いや、落ち着け。今は考えるな。3人が帰ってから、冷静になってから)

バスタオルを巻いた深雪ちゃんを、奏ちゃんが抱えてくる。
優美ちゃんの横にそっと寝かせた。

「ふぅ……二人とも、かわいいわね。」

奏ちゃんがため息をつく。
どこか羨望と寂しさが入り混じったような声だった。

奏ちゃんも十分可愛いと思う。
けれど、芸能人と並んでも見劣りしないような二人と一緒にいることで、密かにコンプレックスを抱えているのかもしれない。

「ねえ、竹内くん。今日のお礼、しないとね。」

十分すぎるくらいのお礼は、もう受け取っている気がする。
むしろ、こちらがお礼を言うべきだ。

そう思った矢先、奏ちゃんは突然、二人のバスタオルを剥いだ。

「えっ!? な、なにして――!」

裸のまま眠る優美ちゃんと深雪ちゃん。
並んだ二人の身体は、それぞれまったく違った魅力を放っていた。

「……この二人、どっちが好み?」

そう言った奏ちゃんの声は、どこか寂しげだった。

「今、二人ともフリーだし。うまいこと取り持ってあげるよ。」

高嶺の花――その言葉が頭をよぎる。
付き合えるなら、夢のような話だ。

けれど、それは本当に現実なのだろうか。

「……誰でも、いいの?」

自分でも信じられないほど、小さな声だった。

奏ちゃんは一瞬だけ黙り、そしてゆっくりと頷いた。

「ええ。徹底的にフォローしてあげるわ。……さすがに、最後は竹内くん次第だけどね。」

微笑んでいたけれど、その笑顔の奥に、何かが沈んでいるように見えた。


――ここは、男を見せるところだ。

たしかに、優美ちゃんも深雪ちゃんも魅力的だ。
けれど――

「俺が好きなのは、奏ちゃんだ。」

「……は?」

奏ちゃんがぽかんと口を開けたまま、固まる。

次の瞬間――

「ちょっ! な、なに冗談言ってんの!? 私なんか選ぶわけないでしょ!? からかわないでよ、もぉっ!」

勢いよく叫びながら、顔を真っ赤にして慌て出す奏ちゃん。
その姿が、むしろ愛おしかった。

(どれだけ、自分のことを低く見てたんだろう)

「冗談じゃない。本気だよ。」
「……え?」

「はじめて会ったときから、ずっと好きだった。一目惚れってやつ。」
我ながら、だいぶクサいセリフだった。

でも、嘘はひとつもなかった。

「ああもう! 見るな! あっち向け! 目ぇ閉じて!」
奏ちゃんが急に、裸で寝ている優美ちゃんと深雪ちゃんの身体にタオルをかけて回りはじめた。

そして、こっちに向き直って叫ぶ。

「今すぐ家から出て行け! 二人が目を覚ましたらマズいから!」

「えっ、いや……ここ、俺の家なんだけど。」

「いいから! 気を遣って出て行ったってことにしておくから!!」

そう言いながら、玄関まで僕の腕を引っ張っていく奏ちゃん。
なんだか、顔を合わせるのが恥ずかしくなったのかもしれない。

バタン、と玄関のドアが閉まる音がして、僕はそのまま夜の道へ放り出された。

仕方なく、近所の漫画喫茶に向かい、1人静かな夜を過ごすことにした。


エピローグ

朝、目を覚ました優美ちゃんと深雪ちゃんは、自分たちが裸で寝ていたことにさすがに疑問を抱いたらしい。
けれど、部屋を提供したうえに、家主の僕が漫画喫茶で一晩過ごしたと知ったとき――二人とも、真剣に謝ってくれた。

優美ちゃんは、何度も頭を下げながら平謝りだった。

「本当にごめんなさい。部屋も汚したし、洗濯機もお風呂も……全部、使わせてもらっちゃって」

謝る姿まで、やっぱり可愛かった。

「お詫びはなんでもするから。遠慮なく言ってね?」

……なんでも、か。
ちょっとだけにやけそうになったが――その瞬間、どこかから殺気のような視線を感じて、慌てて誤魔化す。

「じゃあ、缶コーヒーでもおごってくれると助かるかな。」

「えっ、それでいいの?」

それで一件落着した……のだが、その“さりげなさ”が好感触だったのか、それ以来、優美ちゃんは何かと話しかけてくるようになった。

少し遅れて、深雪ちゃんも僕の元へ来た。

「本当にごめんなさい。まさか……家主を追い出してるとは思わなかったの。」

朝起きて状況を把握するまで、自分のいる場所がわからず、相当混乱していたようだ。
その表情には、申し訳なさと恥ずかしさが混じっていた。

深雪ちゃんは、僕の手をぎゅっと握って、真剣な目で言った。

「……ごめんなさい。」

そのまま、僕の耳元に顔を寄せる。

「……ねえ、私、朝起きたら裸だったんだけど。なにか……知ってる?」

ぼそりと囁かれた声に、一瞬だけ本気でビビった。
顔が引きつっているのが、自分でもわかる。

その様子を見て、深雪ちゃんは小さく笑った。

「ふふ。なるほどね。まあ、迷惑かけたんだからそのくらいは許すわ。あんまり人には見せないけど、自慢の身体よ?」

また耳元に口を寄せて、さらに続ける。

「……三回までなら、許す。」

そう言って、手を上下に動かす謎のジェスチャーをしてきた。
なんとなく意味はわかるけど、言葉にしたくはない。

あまり話したことがなかったけれど、思った以上に――深雪ちゃんは面白い人なのかもしれない。

「さ、私のことはもういいから。さっきから、こっちを鋭い目で睨んでる子のところに行ってあげなさい。……視線で殺されそうだわ。」

そう言って、苦笑いを浮かべながら僕の背中を軽く押す。

「奏を泣かせたら……覚悟しなさいね?」

その言葉を背中で聞きながら、僕は奏ちゃんの元へ駆け出した。

END


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