【創作羞恥小説】幼なじみのおっぱいプリン

同級生

俺には、有栖(ありす)という幼なじみがいる。
実家は隣のケーキ屋『アリスのお茶会』。
不思議の国のアリスを敬愛する彼女の母親が、店名も娘の名前もそれにあやかって名付けた、地元で愛される店だ。
ケーキと紅茶の味は確かだが、最近の経営状況は芳しくない。
原材料の高騰に加え、近所にできた大手チェーン店に客を奪われているのが現状だった。

「はー……」

なぜか俺の部屋に転がり込み、有栖が深い溜息をつく。

「あのさぁ、人の部屋に来て早々溜息付くのはどうなんだろうな?」

少し呆れながらそう言った。

「だってさぁ、お小遣いダウンだよ?お店が大変なのはわかるけどさ……」

有栖は看板娘で、暇があれば店の手伝いをしている。
そのお手伝いがそのまんまお小遣いに直結していたようだ。

「最近暇だからお店出ないでも良いって。」

確かに最近は有栖よりおばさんの方がショーケースの前に立っているような気がする。
有栖が暇になることは俺にとってはプラスだが、やはり年頃の女の子にとって、軍資金のカットは死活問題なのだろう。

「あ、これお母さんが持って行けって。」

差し出された小さな箱には、馴染みのケーキが二つ入っていた。
昔から好きだったそのケーキをただでありつけるのはありがたい。
早速口に運ぶ。
……やはり美味い。美味いが……。

「私、このケーキ大好きなんだけど、良くも悪くも『古き良き』って感じよね。」

有栖の言う通りだった。
洗練された都会的なスイーツが並ぶ新店舗に比べると、どうしても見劣りしてしまう。

「あーあ、もうすぐゴールデンウィークなのに、どうしようかな……」

有栖は大きく伸びをしながら、俺のベッドに後ろ向きに倒れ込んだ。
その瞬間、俺の目は一点に釘付けになる。

(有栖のやつ、いつの間にこんなに……)

服越しでもわかる、豊満な膨らみ。
無防備に反らされた肢体によって強調されたそのバストは、横たわってもなお、確かな存在感を主張していた。
その遠慮ない視線に気づいた有栖が、慌てて胸を隠しながら起き上がる。

「どこ見てんのよ、エッチ!」

有栖にエッチと言われたのは、小学生の頃のスカートめくり以来な気がする。
俺は軽くパニックになりながら苦し紛れの言い訳を口にした。

「ち、ちがうって!起死回生の新商品を思いついたんだよ!」

「新商品……?」

有栖はジトーッとした目で見ている。
その顔もかわいかった。

「えーと、その……本物のおっぱいで型を取った『おっぱいプリン』とか……なんて、な。ハハ。……ないよな。うん。」

しまった、と思った。
今まであまり有栖にこの手の下ネタはぶつけたことはなかった。
ところが、有栖は不機嫌になるどころか、何かに真剣な表情で考え込んでいる。

「……それ、ありかも。」

そういえばこいつ、時折バカになるんだった。
それも、とてつもなく行動力のあるバカに……。

翌日、有栖は大きな紙袋を抱えて、我が家へ押し掛けてきた。

「今日ってさ、結人くんしかいないよね?」

頬を上気させた有栖の問いかけに、俺の心臓は嫌な高鳴りを上げ始めていた。


どうやら有栖は本気だった。
工程を聞けば、まずシリコンや印象材で胸の型を取り、そこに石膏を流して原型を作成。さらにそれを整えてから、食品衛生法に適合したプリン用の型を自作するのだという。
素人考えでも手間のかかる作業だが、有栖の瞳には「店を救う」という大義名分が燃え盛っていた。

「でさ……肝心の『おっぱい』はどうするんだよ。まさか、有栖がやるのか?」

平静を装って聞いたものの、喉の奥がカラカラに乾いていた。
幼なじみとしてずっと隣にいた有栖。
いつの間にか恋心を抱き、秘かに想い続けてきた相手だ。
そんな彼女のおっぱい……。

俺の問いかけに対し、有栖はニヤリと笑みを浮かべ、躊躇なくシャツの裾に手をかけた。

「ちょっ、おまっ!」

制止の声も虚しく、彼女はシャツをガバッと脱ぎ捨てた。
眼前に広がったのは、白い肌と……鮮やかな水色のビキニ姿だった。

「ふふーん。ちゃんと水着を着てきたから大丈夫だもーん!」

自信満々に胸を張る有栖。
だが、その「どや顔」とは裏腹に、ビキニの布地から溢れんばかりに主張する双球の迫力に、俺は言葉を失った。
高校ではプールの授業は男女別だし、ここ数年、彼女と海や川へ遊びに行った記憶もない。
つまり、今の俺にとってこれは、あまりにも刺激が強すぎる「目の毒」だった。

「…………」

「……ねぇ、もう!見すぎ!結人くんって、そんなにエッチだったっけ?」

俺のあまりの凝視っぷりに、有栖は昨日と同じように腕で胸を隠し、呆れたような声を出す。
だが、不可抗力だ。男なら誰だってこうなる。

(俺は悪くない……!)

心のなかで必死に自分を正当化しながら、必死に理性のブレーキを踏み込んだ。

結局、有栖は再びシャツを頭から被ってしまった。
準備が整うまではお預け、というわけだ。
……正直に言おう、残念である。

「エッチな結人くんは、こっち混ぜてて。」

どうやら俺の好感度は、今の短時間で垂直落下してしまったらしい。
とはいえ、言葉の端々に険がないところを見ると、怒っているわけではなさそうだ。
俺は大人しくボウルを受け取り、中に張った水へ専用の粉末を投入した。
円を描くように混ぜていくと、液体は次第に粘り気を帯び、重厚なペースト状へと姿を変えていく。
これを胸に塗布して型を取るのだ。

「……そろそろ、いいかな。」

有栖が呟き、再びシャツに手をかける。
脱ぎ捨てる際、布地が豊かな膨らみの下側に一瞬引っかかり、解放された双球がフルンと震えたのを、俺の動体視力は見逃さなかった。
……間違いなく、今日は寝不足になる。

「じゃあ、その出来たやつ……は、私が自分で塗るわね。」

有栖の手がボウルへと伸びる。
……どこかで選択肢を間違えたのだろうか。
もし最初から紳士的に振る舞い、彼女の全幅の信頼を勝ち取っていれば、俺がその手で塗るという展開もあり得たのではないか。
叶わぬ妄想を振り払い、俺は大人しくボウルを渡した。

有栖はペーストを掬い上げると、水着の上からそれを塗り広げていく。
水着越しとはいえ、自らの胸を弄るようなその手つきは、直視するにはあまりに毒気が強すぎた。

「…………」
有栖がギロリと睨んできた。

はいはい、向こう向いていますよ。
……というかわざわざ俺の家でやらなければ良いのに。

しばらくして「こっち向いていいよ」と許可が下りた。
振り返ると、彼女のバストラインは先ほどのペーストに覆われ、石膏像のような無機質な塊へと変わり始めていた。

「どれくらいで固まる予定なんだ?」
「うーん、二十分くらいかな。……ねぇ結人くん、お水飲みたい。」

両手は普通に空いているから自分で飲めるだろうに。
反論するのも野暮なので、俺は彼女が持参したペットボトルにストローを差し、その口元へと運んだ。

「ふぅ……。これ、固まる時に少し熱くなるみたい。結構大変だね。」

有栖は少し上気した顔で、ニコニコと微笑んでいる。
どうやら結構楽しんでやっているようだ。

「結人くん、ケーキ。」

今度は雛鳥のようにあーんと口を開けて催促してくる。
さっきまで「エッチ」だなんだと罵っていたはずなのに、この切り替えの早さは反則だ。
結局、俺は彼女のペースに翻弄され、甘えてくる幼なじみを甲斐甲斐しく世話し続けた。

そうして、密度の濃い二十分が経過した。


「そろそろ、いいかな」

有栖は自分の胸をポンポンと叩き、石膏状に固まった感触を確かめている。
すると、何を思ったのか彼女は俺の手を取り、あろうことかその「塊」の上に置いた。

「ね?しっかり固まっているでしょ?」

有栖に悪気はないのだろう。
これだけ厚みのある物体が間にあるのだから、触られても問題ないと考えたに違いない。
だが、それは思春期の男という生き物をこれっぽっちも理解していない証拠だ。
胸があるべき位置に手を置かされている。
その事実だけで、俺の心拍数は法定速度を遥かにオーバーしていた。

「じゃー、外しますか!」

楽しげな掛け声とともに、有栖が塊を剥がそうとする。
だが、肌に密着しているせいか、自分一人の力ではなかなか上手くいかないようだ。

「うーん、結人くん。悪いんだけど、これ引っ張ってくれる?優しくね?」

断れるはずもなかった。
有栖の肌を傷つけないよう、俺は彼女の正面に立ち、固まった型をゆっくりと、慎重に引き剥がしていく。
ペリペリ……と、肌から離れていく独特の感触。順調に剥がれかけた、その時だった。

「ちょ、ちょちょちょ!ちょっと待って!」

有栖が悲鳴に近い声を上げた。
何事かと覗き込んだ瞬間、俺の思考は真っ白に染まった。
ペーストの一部がビキニの布地に食い込んで固まっており、型と一緒に水着まで持っていこうとしていたのだ。

そして――露わになったのは、透き通るような肌の先に鎮座する、鮮やかなピンク色の先端。
まずいと本能が警鐘を鳴らし、俺は慌てて視線を逸らした。

「結人くん、目をつぶったまま引っ張って!早く!」

言われるがままに目を閉じ、手探りで残りの型を外す。
ベリッ、という手応えとともに型が外れた感触がした。

「絶対、こっち見ないでよ!」

暗闇の中、俺は型を持ったまま立ち尽くしていた。
瞼の裏には、さっき一瞬だけ視界に焼きついたあのピンク色の残像が、今もゆらゆらと揺れているようだ。
どれくらいの時間が経っただろうか。

「……もういいよ。」

恐る恐る目を開けると、有栖はすでにシャツを着ていた。
だが、俺の手元にある型には、無惨にも彼女のビキニがくっついたまま。
そして、目の前の彼女の胸元に目を向けると、薄いシャツの膨らみの先に、小さな突起が浮き出ているような気がした。

(もしかして……ノーブラなのか……?)

すると、頬を膨らませ、両腕で胸を隠しながら有栖が抗議する。

「もう!結人くん、おっぱい好きすぎじゃない?」

男はみんなおっぱいが好きなんだ。
……そんな当たり前の事実を口に出す余裕すら、今の俺には残っていなかった。


手元に残された「塊」を確認してみると、やはり石膏状のペーストは無情にもビキニを深々とくわえ込んでいた。
そっと引き剥がそうと試みたが、そこに残ったのは、本来の美しさとは程遠い、歪で無惨な「型」の成れの果てだった。

「うーん、やっぱり水着をつけたままじゃダメなのかなぁ……」

有栖の声には、明らかな落胆が混じっていた。
だが、俺はそれ以上何も言えなかった。理想的な型を取るためには、布地という障害物を排除し、肌から直接形を写し取るしかない。
それはつまり、彼女が完全に裸になることを意味していた。

さすがに、そこまで踏み込むことはできない。
大切な幼なじみを、これ以上辱めるわけにはいかなかった。

「……やっぱり難しいんだな。おっぱいプリンは諦めて、別のメニューを考えようぜ。」

努めて明るいトーンでそう言った。
だが、有栖の瞳に宿る光は、まだ死んではいなかった。

「ううん、ありがとう。でも、まだやれることがあるなら、私は最後までやりたい。」

そう言うと、彼女は俺の手をぎゅっと握りしめた。

「結人くんも、最後まで協力してくれるよね?」

じっと見つめてくるその真っ直ぐな瞳。
そこに「NO」を突きつけられる男など、この世にいるはずがない。
なぜ彼女は、これほどまでに俺を信頼してくれるのだろうか。その理由は分からないが、彼女が望むなら行けるところまで行こう。
そんな、覚悟を決めた気持ちになった。

結局、二人の話し合いは「水着を使わずに型を取る」という結論に至った。

「でもさ……水着をつけないってことは、その、俺に見えちゃうんだぞ?」

当然の懸念を口にする。
すると有栖は、顎に指を当てて少し考える素振りを見せてから、あっけらかんと答えた。

「結人くんならいいかな。昔は一緒にお風呂にも入ってたしね。」

それは、記憶の彼方にある幼少期の話だろう。
あれから一体何年が経ち、お互いの身体がどれほど変わってしまったのか、彼女は分かっているのだろうか。

だが、当の本人がいいと言い張る以上、俺に断る理由など万に一つもなかった。
期待と凄まじい緊張感が入り混じる中、型取りの第二ラウンドが幕を開けようとしていた。


次の準備に入る前、俺はスマホで型取りについて詳しく調べていた。
そこで、気になる記述を見つけた。

「……なに見てるの?」

背後から覗き込んできた有栖に、俺は隠さず画面を見せた。

「ああ。型取りの前に、ワセリンを塗っておいた方がいいらしい。肌を保護するし、型を外す時もスムーズになるんだってさ」

有栖はじっとスマホの画面を眺め、「確かに必要そうだね」と頷いた。
幸い、台所の戸棚を探してみると、母親が手荒れ対策に使っていたワセリンの残りが見つかった。
母親には後で新しいのを買って返せばいいだろう。

「ありがとう。これおばさんの?今度お礼言っておかないと。」

有栖は素直に感謝しているが、これが何に使われたかだけは母親には言わないでほしいと切に願った。

準備は着々と進んでいく。
彼女は本当に、俺の前でそのすべてを晒すつもりなのだろうか。
そもそも、この『おっぱいプリン』のどこにそれほどの商機を見出しているのか。
疑問は尽きないが、今の彼女の瞳には、迷いなど微塵も感じられなかった。

「ふーっ……」

有栖が大きく息を吐き出した。

「結人くん、そろそろ始めようか。」

彼女の覚悟が決まったようだ。
そして、有栖は手にしたワセリンを俺に差し出してきた。

「えっ……。俺が、塗るのか?」

それはつまり、直接彼女の肌に、おっぱいに直接に触れるということだ。

「うん……。恥ずかしいけど、さっきのサイトに、ムラがないように他の人に塗ってもらった方がいいって書いてあったから……。」

どこまでその情報を信じていいのかは分からない。
だが、俺にとっては役得以外の何物でもなかった。

有栖は俺に背を向け、ゆっくりとシャツを脱ぎ捨てた。
視界に飛び込んできたのは、吸い込まれるように白く、滑らかな背中。
右の肩甲骨の下にある小さなホクロが、妙に艶かしく俺の目に焼き付いた。

「結人くん、恥ずかしいから……早くしてね。」

震える声で促され、俺も覚悟を決めた。
彼女の覚悟に応えなければならない。
両手にワセリンを馴染ませ、体温で溶かしてから、ゆっくりと彼女の脇から腕を前へと回した。

彼女のおっぱいに触れる直前に、有栖にそっと囁いた。

「俺……ずっと前から、有栖のことが好きだったんだ。」

そして、俺は彼女の豊かなおっぱいを両手でしっかりと包み込んだ。
ワセリンの滑らかさを介して伝わる、本物の、抗いようのない柔らかさ。

「なっ……!なんで今、そんなこと言うのよっ!?」

有栖は顔を真っ赤に染め、首だけを必死に後ろへ巡らせて叫んだ。
なぜ今なのか。自分でも分からない。
けれど、この聖域に触れる前に、どうしても伝えておかなければならない気がしたんだ。


有栖のバストに、体温で溶けたワセリンを塗り込んでいく。
手のひらから溢れるほどに大きく、指を押し返してくるようなハリがあるのに、驚くほどに柔らかい。
この世にこれほど素晴らしい感触が存在することを、俺は今まで知らずに生きてきた。

「ちょっと結人くん、黙ってないでよ……っん……」

抗議しようとした有栖の口から、艶やかな吐息が漏れた。
ちょうど、指先が彼女の先端――乳首に触れたときだった。

俺は背後から彼女の全体を揉み込むようにして、ワセリンを隅々まで広げていく。
その執拗な手つきに、有栖の身体が小刻みに震え始めた。

「……ぁっ。ちょっと、そこは優しく!……んぁっ!」

先端を指先で丹念に弄るたび、彼女のそこが徐々に硬く、尖っていくのが伝わってくる。
(なるほど……。確かに、某有名グミのような弾力だ)
そんな不謹慎な感想を抱きながら、俺は両手の指先で左右の突起をコリコリとつまみ、転がすように刺激した。

有栖は悶え、逃げ場を求めるようにどんどん前傾姿勢になっていく。

「……あぁ……。だめ、それ……」

弱々しくなっていく声。あのアグレッシブな有栖が、俺の指先一つで翻弄されている。
その事実に、俺の心には暗い愉悦が芽生え始めていた。
もっと彼女の反応が見たい。もっと――。

衝動に突き動かされるまま、俺は少し強めに、その膨らみをギュッと握りしめた。

「いやぁっ!」

有栖の短い叫びとともに、彼女の身体がビクンと大きく跳ねた。
そのまま力なく膝を突き、彼女は床にへたり込んでしまった。

(やばい、やりすぎたか……)

我に返って手を離すと、有栖は涙目になりながら、肩で息をして俺を睨みつけてきた。

「もう!優しくしてって、言ったじゃん……っ!」

「ごめん、つい……。本当にごめん!」

平謝りするしかない俺だったが、視線の先には、涙を浮かべ、顔を真っ赤に紅潮させた有栖がいる。
いつも通りの強気な彼女とは違う、あまりにも無防備で扇情的なその姿は、俺の目にこれまでで一番可愛く、そして美しく映ってしまった。


有栖は、塗り込まれたワセリンを拭ってしまわないよう、指先を浮かせながら腕で胸を隠して立ち上がった。
膨らませた頬と尖らせた唇。
その表情は、怒りよりもどこか拗ねたような、甘えを含んだものに見えた。

「結人くんがおっぱい大好きなエッチ人間だってこと、うっかり忘れてたよ……」

またしても評価はガタ落ちだろうが、拒絶の色はない。
すると、彼女は聞こえるか聞こえないかほどの小さな声で、ぽつりと呟いた。

「……これは、ちゃんと責任取ってもらわないとね。」

それがさっきの告白に対する答えなのか、それとも別の意味なのか。
今の俺には判断がつかなかったが、今はただ、彼女の覚悟に応えて型の完成を急ぐしかなかった。

俺は無言で粉と水を混ぜ合わせ、型の原型となるペーストを練り上げていく。
準備が整い、いざ塗布の工程へ。
当然、今度も彼女自身が塗るものだと思っていた。
だが、有栖は俺の視線を真っ向から受け止めると、遮っていた両手をそっと下ろした。

遮るもののない、白く、豊潤な双球が眼前に現れる。

「有栖……?」
「……もう、さんざん触られちゃったからね。今度は、本当に優しくしてよね?」

はにかむように微笑む彼女を前に、俺の理性は音を立てて崩れそうだった。
けれど、ここで欲望に負けるわけにはいかない。それは彼女の信頼に対する裏切りだ。

椅子に深く腰掛けた有栖もおっぱいに、俺は震える手でペーストを掬い上げた。
温かな肌に、ひんやりとしたペーストを慎重に広げていく。
指先を介して伝わるのは、先ほどよりも生々しく吸い付くような柔らかさ。

やはり先端は敏感なのだろう。
そこを覆う瞬間、有栖は小さく背中を丸め、熱い吐息を漏らした。

「……んっ」

俺は必死で邪念を振り払い、彼女の美しさをそのまま写し取るように、優しく、丁寧に塗りたくっていった。
どうにかすべての工程を終え、彼女の胸元に真っ白な仮面のような型が定着する。

こうして、型が固まるまでの二十分間――再びの「有栖甘やかしタイム」が幕を開けた。


二十分が経過し、型は完全に硬直したようだ。

「じゃ、結人くん。外してくれるかな?」

有栖は、すべてを委ねるように静かに告げた。
その言葉には、幼なじみとしての親愛だけでなく、もっと深い信頼が込められているように感じられた。

俺は型を優しく掴み、慎重に力を込める。
ワセリンが潤滑材となり、型は先ほどとは比べ物にならないほどスムーズに彼女の柔らかな肌から滑り落ちていく。
型が剥がれるたび、ワセリンで濡れたように光る有栖のバストが少しずつその全貌を現した。
改めて見惚れるほどの、見事な造形だった。
美巨乳とはまさにこのことを言うのだろう。

「……結人くん。見るなとは言わないけど、少しは遠慮っていうものを覚えたらどうなの?」

凝視する俺に、有栖が呆れたような溜息をつく。

「いや、しっかり見ながら剥がさないと、型が割れたら大変だろ?」

必死の言い訳を投げ返すと、彼女は「ふーん」と鼻で笑い、それ以上は追及してこなかった。

苦労の甲斐あって、二度目の型取りは完璧だった。
肌の質感まで写し取ったかのような、見事なメス型。
あとはこれに石膏を流し込み、プリン型の原型となるオス型を鋳造するだけだ。

「これからは俺一人でできるからさ。有栖はシャワーでも浴びてこいよ。」
「それもそうね。……お風呂借りるけど、覗いちゃダメだよ?」

そう言い残し、彼女は着替えとタオルを手に浴室へと消えていった。
家が隣なのだから一度帰ればいいものを、あえてここで済ませようとするあたりに、彼女なりの甘えを感じて口を閉ざす。

シャワーの音を聞きながら、俺は急いで石膏を練り、型へと流し込んだ。

「固まるまで、あと一時間か。」

浴室から漏れ聞こえる水の音に、どうしようもなく意識が向いてしまう。
俺は邪念を振り払うように、テレビの音量を少し大きめに上げた。

しばらくして、脱衣所のドアが開く音がした。

「……ちゃんと落ちたか?」

振り返った瞬間、俺の思考は再び停止した。
有栖は、バスタオルを身体に巻いただけの姿で戻ってきたのだ。

「おいおい……。さすがに無防備が過ぎるだろ……。」

俺の忠告を無視して、彼女は机の上の型を覗き込む。
前傾姿勢になったタオルの裾から覗く、しなやかな足のラインと臀部の曲線が、目に毒なほどに扇情的だった。

「うん、綺麗に石膏が入ってるね。ありがとう、結人くん。」

彼女は満足げに頷くと、俺の方へとゆっくり振り向いた。

「これ、お礼ね。」

悪戯っぽく微笑んだ直後、彼女は胸元で押さえていたタオルを、躊躇なくバッと左右に開いた。

当然、下着をつけているものと思っていた。
だが、タオルの下は完全なる全裸だった。
眩しいほどの白い肌。型取りを終えたばかりの、存在感のあるバスト。
そして、丁寧に整えられた美しいV字の茂み。
言葉を失い、ただ圧倒される俺を余所に、彼女は満足そうにタオルを閉じると、風のように浴室へと引き返していった。

次に彼女が姿を現したときには、家に来たときと同じ格好に戻っていた。
ブラジャーは予備を持っていたようだ。

まだ少し湿り気を帯びた彼女の髪が、先ほどの光景が幻ではなかったことを物語るように、妙に艶やかだった。

一時間が経過し、運命の脱型の時が来た。
これが成功すれば、あとは最終工程のシリコン型作成を残すのみとなる。

俺は慎重に外側の型へ切れ目を入れていき、中の石膏をゆっくりと引き抜いた。
現れたのは、見事な「双球」だった。
有栖のバストの形をそっくりそのまま、滑らかな曲線から乳首や乳輪の微細な質感までもが、白磁のような石膏に克明に写し出されていた。

「……こうして見ると、やっぱりちょっと恥ずかしいね。」

有栖が少し頬を染めて、自分の分身ともいえる石膏像を覗き込む。
そのあまりに生々しい完成度を前にして、俺の胸の中にはある感情が湧き上がっていた。
それは、この数時間の濃密な体験を経て完全に芽生えてしまった、強烈な「独占欲」だった。

(これをこのまま商品にするのは……何というか、嫌だ)

有栖のすべてを、不特定多数の客に晒したくない。
そう直感した俺は、彼女に一つの提案を持ちかけた。

「……有栖。さすがに、先端のところは少し削らないか?」

俺の言葉に、有栖は一瞬驚いたように目を見開いた。
だが、すぐに俺の真意を見透かしたのか、ニマニマとした悪戯っぽい笑みを浮かべて了承してくれた。

結局、先端を滑らかに削り落とし、美しく整った「丸み」を持つ二つの原型が完成した。
それを元にして作成した型に、有栖が用意した秘伝のプリン液を流し込み、冷蔵庫へと収める。

「じゃ、明日固まってるか確認しに来るね。……今日は本当に、ありがとう、結人くん。」

「こちらこそ」と言いかけて、気恥ずかしさが勝って言葉を飲み込んだ。

「ああ。ちゃんと完成してるといいな。」

嵐のような一日が終わり、彼女は隣の家へと帰っていった。
一人残された部屋で、俺は静まり返った冷蔵庫を見つめる。
その夜、ワセリン越しに感じたあの圧倒的な柔らかさと、網膜に焼き付いたピンク色の残像を思い出しながら、二度ほど「処理」をしたのは言うまでもなかった。


翌日、玄関に現れた有栖は、いつもより少しだけかわいい格好をしていた。
一晩経っても、指先に残るあの感触や、昨夜の情熱的な告白の余韻は消えていない。
どことなくぎこちない空気のまま、俺は彼女を部屋へと迎え入れた。

肝心のプリンは、冷蔵庫の中で完璧に固まっていた。
昨夜、母さんに「これ、何を作ってるの?」と聞かれた時は肝を冷やしたが、「新作スイーツの試作だよ」と、あながち嘘ではない理屈でなんとか煙に巻いておいた。
……まさか隣の家の娘のおっぱいを象っているとは、口が裂けても言えない。

お皿の上に、右と左、二つのプリンが慎重に落とされた。

「おぉ……」

二人同時に感嘆の声が漏れる。
皿の上で鎮座するそれは、昨日の記憶を鮮明に呼び起こす、有栖の双球そのもののようなフォルムをしていた。
俺がスプーンの背でプリンを軽く叩くと、プルンと震えるその揺れ具合までもが、昨日ワセリンを塗り込んでいた時の肉感を思い出させる。

何度も、執拗にポンポンと叩き続けていると、不意に後頭部へ衝撃が走った。

「……スイマセンでした。」
「本当に、救いようのないエッチなんだから……」

呆れ顔の有栖が、手慣れた手つきで紅茶を淹れてくれる。
我が家の台所を俺以上に使いこなしている彼女の後ろ姿は、もはや幼なじみというよりは若奥様のような落ち着きがあった。

そして、いよいよ実食の時。
スプーンを差し込むと、絶妙な弾力とともに吸い付くような手応えがあった。
口に運んだ瞬間、なめらかな生地がすっと溶け、上品な甘さが口いっぱいに広がる。

「……うまっ」

思わず、本音が零れた。

「でしょ?これが起死回生の『アリスのプリン』よ。」

有栖は誇らしげに胸を張る。
これほど完成度の高いレシピを、彼女はいつの間に完成させていたのだろうか。

「……もしかしてさ。おっぱいっていう形は、あまり関係なかったのか?」
「ううん。まずはインパクトが欲しかったの。それに、このボリューム感に合う型を考えたら、これしかないかなって。」

なるほど、と納得しかけて、ふと思い直す。
……それにしても『アリスのプリン』とは、あまりに直球すぎて、事情を知る俺としては逆にこちらが恥ずかしくなってしまう。

「まずはお父さんとお母さんに提案してみる。了承がもらえたら、型をたくさん作るからね。」

その言葉を聞いて、おじさんとおばさんの困惑する顔が目に浮かんだ。
愛娘が「おっぱいプリン」を売り出すと言い出し、しかもその形が娘本人のものだなんて知ったら、二人はどんな反応をするのだろう。

けれど、この味は本物だ。
「アリスのお茶会」の再起をかけた、少しエッチで、最高に甘い新商品。
俺は彼女の笑顔を見つめながら、どうかこの挑戦が成功してほしいと、心から願っていた。


エピローグ

結果から言えば、新商品は大成功だった。
可愛い看板娘が売り出す『おっぱいプリン』のインパクトは凄まじく、意外にもその可愛らしいフォルムが「映える」と若い女性客の間で話題を呼んだのだ。

SNSを通じて情報は瞬く間に拡散され、かつての静けさが嘘のように店には活気が戻った。
当初はプレーンのみだった味も、今ではミルク、ストロベリー、チョコレートとバリエーションを増やし、店の不動の看板メニューとなっている。

「まさか、本当にここまで成功するとはな……」

賑わう店内を遠目に眺めながら、俺はガラガラだった頃を懐かしく思い返していた。
店が休憩時間に入った頃を見計らい、裏口から有栖を訪ねる。

「お疲れ、有栖。」
「あ、結人くん!来てくれたんだ。」

パッと顔を輝かせる有栖に、胸の奥がじんわりと温かくなる。
あの日以来、店が忙しくなりすぎて、幼なじみとして遊ぶ時間すらほとんど取れなくなっていた。
寂しさはあるが、彼女の笑顔を見れば協力して良かったと心から思える。

「あのね、来週から新しいバイトさんが入ってくれることになったの。新人さんなんて、うちの店では何年ぶりかな。」

嬉しそうに語る彼女の姿に、ようやく少しは時間ができるだろうか、と淡い期待を抱く。
そんな話をしていた時、奥から有栖のお母さんがトレイを持って現れた。

「久しぶりね、結人くん。あなたが新商品を提案してくれたんですって?本当にありがとう。」

おばさんは、俺が昔から大好きだったケーキと紅茶をテーブルに並べてくれた。

「いえ、レシピを考えたのは有栖ですから。俺のアイデアなんて些細なものですよ」

謙遜する俺の目を見て、おばさんが急に真面目な顔を作った。

「ところで、結人くん?」
「はい?」
「……うちのかわいい娘の『おっぱい』なんてものを商品にして、世間に晒し者にして、傷物にした責任……。当然、取ってくれるんでしょうね?」

「ブッ!!」

口に含んだ紅茶を思い切り吹き出しそうになった。
真顔で何を言い出すんだ、この人は。
そもそも、これを商品化して店頭に並べると決めたのは、経営者であるあなたたち夫婦ではないか。

慌てて有栖の方を見ると、彼女はどこ吹く風といった様子でニコニコとケーキを頬張っている。
この親にしてこの子あり、ということか。
俺は咳き込みながらも、真っ赤な顔で絞り出すように答えた。

「…………卒業するまで待ってください。」

その言葉を聞いた瞬間、おばさんは我慢しきれないといった様子で吹き出した。

「ふふ、あははは!冗談よ、冗談!でも安心したわ。無理にうちを継ごうなんて考えなくていいからね。でも、有栖が食べるものに困らないようにだけはしてあげてね。」

そう言い残し、おばさんは愉快そうに笑いながら店の奥へと消えていった。
残された俺たちの間には、妙に甘い沈黙が流れる。
有栖は静かに紅茶を啜っているが、耳の先まで真っ赤なのは隠せていない。

どうやら、外堀は完璧に埋まってしまったらしい。
俺は最近、進路希望の調査票に「製菓学校」の文字を書き加えた。
できることならば、有栖と一緒に『お茶会』を続けていきたい。

「……結人くん、ありがとう。」

有栖の小さな囁きが、甘いプリンの香りと共に、夕暮れの店内に溶けていった。

END


ここまで読んでいただきありがとうございます。
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いざシャツを脱ごうとした彼女の指先は微かに震えていた。
その「痛み」を分かち合うため、俺はひとつの覚悟を決める。
互いの秘密を白日の下に晒すという、一線を越えることを。

だが、俺にはどうしても知られたくない「悩み」があった。
誰よりも好きな相手だからこそ、がっかりされたくない、幻滅されたくない。
そんな男のプライドをかなぐり捨てて晒した「俺のすべて」に対し、有栖が放ったのは予想外すぎる感嘆の声で――。

「すごいよ結人くん!こんなの初めて見た……!」

限定小説「幼なじみのおっぱいプリンif -有栖のお願い-」|ユウヤナギ@CFNM・CMNF小説|pixivFANBOX
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こちらは男性羞恥・CFNM小説となっております。

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