【前作、紗季の民泊の出来事編はこちら↓】
やってしまった。
階段でバランスを崩した少年をとっさに支えようとして、代わりに私が落ちてしまった。
気がついたら病院のベッドの上。片足はギプスで固められ、天井から吊るされていた。
どうやら骨折してしまったらしい。
幸い少年に怪我はなかったと聞いて、少しだけホッとした。
動けない入院生活は思っていた以上に不便だった。
ギプスのせいでズボンがはけず、入院着の下には短パンをはかせてもらっているけれど、それでも妙にスースーする。
ベッドの位置や角度によっては、足元からパンツが見えてしまいそうで気が抜けない。
まぁ、実際にはちゃんと隠れてるんだけど。
そんなことを考える自分が、少し情けないような、でもちょっと可笑しくもあって──
今日も私は天井を見ながら、のんびりと時間を過ごしている。
ノックの音がした。
「はい。」
ガチャッとドアが開くと、そこにはあの少年と、その母親が立っていた。
どうやら、お見舞いに来てくれたらしい。
「この度は本当にありがとうございました。」
母親は丁寧に頭を下げながら、治療費の入った封筒を差し出してきた。
「受け取ってください。」
「いえいえ、そんなわけにはいきません。」
そんなやりとりがしばらく続く。
「では、せめてこちらだけでもお受け取りください。」
そう言って、母親は少年に目配せをした。
少年が差し出したのは、大きなかごに入ったフルーツの盛り合わせ。
ホテルのロビーでもなかなか見かけないくらい立派なやつだ。
「助けてくれて、ありがとうございました。」
少年は恥ずかしそうに、それでもまっすぐ頭を下げてくれた。
治療費は断ったけど、これくらいなら受け取ってもいいかな。
「ありがとう。」
手を伸ばそうとして、ああそうだったと気づく。
足が吊られていて、ベッドから動けないのだ。
「僕が、あっちの机に置いておくね。」
私のベッドを挟んだ向こう側に、ちょうど小さなテーブルがある。
少年はフルーツのかごを持ったまま、足元を回って机へ向かっていった。
そのとき、一瞬だけ少年の動きが止まった気がした。
ちらりと目線を下げたあと、すぐに動きを再開したけど──
もしかして、短パンが下着に見えたとでも思ったのかな。
いや、ちゃんとはいてるけど……色のせいで、見間違えたのかもしれない。
その後も母親は、「やはり少しだけでも……」と治療費を差し出してきたけれど、
「いいえ、勝手に転んだだけですから。」と、私はその都度やんわり押し返した。
その最中、どこかからピロリンと電子音が聞こえたような気がした。
視線をやると、少年がいつの間にか母親のそばに戻ってきている。
ほんのり赤くなった頬を見て、私は少しだけ笑ってしまった。
やっぱり、見間違えたのかもしれない。
それとも──そうじゃなくても、気にしてくれたのなら、それはそれでかわいらしい。
結局、フルーツ盛り合わせだけありがたく受け取り、封筒は辞退することで話は落ち着いた。
「何か必要なものがありましたら、どうぞ遠慮なくご連絡くださいね。」
母親はもう一度深々と頭を下げた。
少年は「バイバイ」と手を振りながら、名残惜しそうに病室を後にした。
しばらくして、中年の看護師さんが病室に入ってきた。
「紗季ちゃん、そろそろ晩ごはんだからね~。」
人の良さそうなおばさんで、すぐに打ち解けた相手だった。
気さくな話し方で、毎日のように世話を焼いてくれる。
「あら、立派なフルーツもらったのね。ごはん置くから、ちょっとベッド動かすわね。」
「はい、よろしくお願いします。」
看護師さんが足元に回ってきたとき、ふとした声を漏らした。
「あら……紗季ちゃん、パンツ履いてないじゃない。」
……え?
「いえっ、ちゃんと履いてますけど!」
慌てて入院着の前を開けて確認した。
……そこには、ふさっとした陰毛が。
まさかの──ノーパンだった。
「ええっ!? なんで!?」
頭が真っ白になる。
そういえば今朝、トイレに行ったついでに、下着も含めて母に洗濯をお願いしていた。
昨日までは普通に短パンをはかせてもらっていたから、今日も当然そうだと思い込んでいた。
……見られた。
あの少年に、見られてしまった。
「もしかして、誰かに見られなかった?」
看護師さんの問いに、私は精一杯の笑顔で返す。
「い、いえ、誰にも見られてません…。あはは…。」
乾いた笑いしか出てこなかった。
看護師さんが部屋を出て行ったあと、私は思い出していた。
赤くなっていた少年の顔。
あの、ピロリンという音。
──見られた。全部、見られた。
しかもあの音……もしかしたら、撮影されてしまったかもしれない……。
枕を顔に押し当て、ばたばたと健在な方の足をばたつかせる。
「また見られた…。私のバカ……!」
それ以来、病室のドアがノックされるたび、私は慌てて入院着の下を確認するようになった。
エピローグ
……すごいものを見てしまった。
僕を助けてくれた、かわいいお姉ちゃん。
ベッドの足元を通ったとき、ふと視線が入院着のすき間に入った。
そして、気づいてしまった。
──パンツを、履いていなかった。
片足が吊られているせいで、角度がちょうどよかったのかもしれない。
上の方にはふさっと毛が生えていて、下の方はつるんとしていた。
ちょっとグニグニしていたけど、なんだかすごく、エロかった。
フルーツの盛り合わせを机に置いたあと、お姉ちゃんとお母さんの方をチラッと確認した。
どうやら治療費のことでやりとりをしているようだ。
……チャンス、かもしれない。
その横で、僕はそっとスマホを手に取る。
なるべくばれないようにそっとカメラを起動し、足元に回る時に画面を向けた。
そして──
ピロリン……。
思いの外、大きな音が鳴った気がして、慌ててスマホをポケットにしまった。
心臓がバクバクしているのを感じながら、何事もなかったふりをする。
お母さんの隣に戻ると、お姉ちゃんがこちらを見て、ふわりと笑った。
……よかった。バレていない。
そのままお礼を言って、病室をあとにした。
家に帰るなり、自分の部屋にこもる。
そして、スマホを取り出して、撮ったばかりの写真を開いた。
画面の中には、あのとき見たものが──想像以上に、はっきりと映っていた。
見た瞬間、体が熱くなる。頭がぼんやりして、息が詰まりそうだった。
ベッドに横たわるお姉ちゃんの足の間。
ふさふさした毛の下に、しっとりとした小さな割れ目。
その奥には、うっすらと見える小さなヒダ。
柔らかそうで、なんだか呼吸しているみたいに見えて、ドキッとした。
さらにそのすぐ上には──何かわからない、小さな突起のようなものも写っていた。
丸くて、ほんの少しだけ盛り上がっていて、それが何なのかは知らないけど……とても繊細そうに思えた。
指で触れたら吸い込まれてしまいそうな、柔らかそうな線。
そしてその下には、きゅっと締まった小さな肛門まで映っていた。
まるでそこだけ別世界みたいに感じた。
肌の色も質感も、全部がすごくリアルで生々しかった。
そして気づいたら、手が勝手に動いていた。
本能のままに触れて、こすって、そして──初めての絶頂を迎えた。
それは、少年にとって忘れられない体験になった。
紗季は知らぬ間に、少年の“精通”を導いてしまっていた。
END
【次作、温泉の夜はこちら↓】




💬 ご意見・ご感想はこちらへ。