【創作羞恥小説】湯けむりの油断

創作羞恥CMNF

たまには一人旅もいいかなと訪れた温泉旅館。
到着してすぐに私は大浴場へと向かった。

平日の昼間ということもあって、浴場内は自分ひとりの貸し切り状態だった。
温泉と言えば濁り湯のイメージがあるが、ここの温泉は綺麗な透明だ。
かけ湯をし、広い湯船に体を沈めると、ふわっと肩の力が抜けた。仕事の疲れがじわじわ溶けていく。

ふと、入り口が開く音が響く。見ると小学生くらいの男の子が立っていた。

「あら……? 男湯じゃなくていいの?」

「うん、今混んでるみたいで…こっちならいいって。」

なるほど。そういうことか。
私は思わず微笑んだ。ちょうど弟と同じくらいの年齢だ。自然と母性本能のようなものが働く。

「そうなんだ。滑らないように気をつけてね。」

「ありがとうございます!」

男の子は元気にお辞儀し、かけ湯をして湯船に入ってきた。
私たちは自然に会話を交わし始めた。好きなゲームの話、学校の話、旅行の話――。
まるで弟と話しているような気分だった。話しているうちに、私もすっかり油断していた。

しばらく湯船で温まったあと、私は体を洗おうと立ち上がった。
すると、男の子も自然に私の後に続いて上がってきた。

「一緒に洗おうっと。」

「ふふ、そうだね。」

隣同士に並んで座り、それぞれ体を洗い始める。
私は特に気にすることもなく、タオルも巻かずに素肌のままで髪を洗い、腕や足を流していった。

いつもの癖で、体を洗う時は立ち上がって洗った。
少年に背を向け、足元から順に上へと丁寧に洗っていく。
隣で体を洗っている少年の横で、私は自然に足を開き、指先で丹念に足の指の間を洗いながら会話を続けていた。

そしてまた少年とともに湯船に戻り、体に温泉の効能をしみこませていた。

「お湯、熱すぎない?」

「ちょうどいいよー!」

そんな他愛のない会話を交わしながら、私は全身を堂々と晒し続けていた。
少年の存在などすっかり意識の外に置いたまま、まるで一人でいるかのように自然体で動いていた。

(ほんと、弟と入ってるみたいだなあ…)

のんびりとした気分のまま、のぼせる前に上がることにした。

「じゃあ、私はそろそろ上がるね。バイバイ。」

男の子に声をかけると、彼はニコニコしながら手を振ってきた。

「バイバーイ!」

右手を大きく振りながら、左手は腰のあたりをさりげなく隠している。
よく見ると彼の小さいちんちんがぴんと立っているように見える。

(……あれ?)

その瞬間、違和感が心に刺さる。
今まで無邪気だと思っていたけれど──まさか。

(え…ずっと…見てた……?)

心臓がドクンと跳ねた。
今さら自分の無防備さを自覚して、一気に顔が熱くなる。

(私、初めて会う男の子に堂々と全部…全部…見せて……!)

思えば湯船に浸かっていた時も、あんなに透明なお湯の中で堂々とのびをしていた。
体を洗っているときは立ち上がってお尻を向け、肩幅に足を開いて大事なところもあらわに──
足の指を洗うときは大胆に足を広げ、無意識に少し彼の方を向いていた。

慌てて浴衣を羽織り、逃げるように脱衣所を後にした。

部屋に戻ると、そのまま布団へ倒れ込み、顔を枕に埋める。

「~~~~~~!!」

(なんで私…あんなに油断してたの!?)

羞恥、後悔、微妙な高揚感──色々な感情がぐるぐると渦を巻く。
紗季はしばらく布団の中で身悶え続けた。


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