【前日譚、ムキムキ体操を先に読んでいただけると、より楽しんで貰えると思います。↓】
俺には今、切実な悩みがある。それは義理の妹、咲凪のことだ。
例の「ムキムキ体操」と称した強引な皮剥き、そして度を越したスキンシップ。
抗いきれずに彼女を押し倒し、お互いの気持ちが通じ合ったところまでは良かった。
だが、問題はその先だ。どうにも、咲凪に主導権を握られっぱなしなのだ。
たかだか半年の早生まれとは言え、かつて抱いていたはずの「兄の威厳」など、今や微塵も残っていない。
そして……情けないことに、俺はまだ童貞のままだった。
なぜかって?
あの日、俺の部屋で咲凪を押し倒し、いよいよ一線を越えるというその時、階段をドタバタと駆け上がる無遠慮な音が響いたのだ。
慌てて彼女から離れ、何食わぬ顔で座り直した直後、お義母さんがドアを開けた。
結果として「未遂」で終わったわけだが、あの時の咲凪のジトッとした視線が今も脳裏に焼き付いている。
それ以来、チャンスらしいチャンスは一度も訪れていない。
……俺がヘタレであることは否めないが。
それでも、どうにかして主導権を奪い返したい。
そう願っても、この手の駆け引きに関しては咲凪の方が何枚も上手だった。
「なんだよ、溜息なんてついて。幸せが逃げるぞ。」
昼休み、そんな俺の様子を見かねた友人が声をかけてきた。
「……余計なお世話だ。わざわざそれを言いに来たのか?」
突き放すような俺の言葉を気にする様子もなく、友人はニヤニヤしながらスマホの画面をこちらに向けてきた。
「お前、知ってたか?女にも『包茎』ってあるんだってよ。」
「……は?」
耳を疑った。聞き間違いかと思ったが、差し出された画面を覗き込むと、そこには確かに『クリトリス包茎』という単語が躍っていた。
これは……使える。
今まで咲凪に散々弄られてきた「剥く・剥かれる」の攻防。
もし、彼女にもその弱点があるのだとしたら――。
俺の脳内に、反撃のシナリオが鮮やかに描き出された。
それ以来、俺は咲凪の目を盗んでパソコンに向かい続ける日々を送った。
膨大な情報を漁り、試行錯誤すること一週間。
ついに、俺の手による渾身の力作『ムキムキ体操・女性版』が完成した。
プリンターの作動音が止まり、出来上がった資料を丁寧に冊子の形にまとめ上げたその時だった。
「ただいまー!」
階下から、弾んだ声が聞こえてくる。
どうやら可愛い妹のご帰還だ。幸い、今日は両親の帰りが遅い。
つまり……失われた主導権を奪還する、千載一遇のチャンス。
「咲凪、ちょっと部屋に来てくれないか?」
廊下に向かって声をかけると、トントントンと軽快な足音が近づき、ノックもなしにドアが開いた。
相変わらずこの妹の辞書に「プライバシー」という言葉はないらしい。
「なにー?」
疑いを知らない、無垢で可愛らしい笑顔。
だが、その余裕もここまでだ。
「……そこに座りなさい。」
俺はカーペットの上の座布団を指差したが、当然のように俺のベッドに腰掛けた。
やはり完全に舐められている気がする。
が、それも今日までだ。
「それでお兄ちゃん、どうしたの?」
咲凪の真っ直ぐな視線を受け止め、俺は一呼吸置いてから切り出した。
「あのさ……女性にも『包茎』があるって、知ってるか?」
いざ口に出すと、猛烈な羞恥心がこみ上げてくる。
あの時、平然と俺を剥きに来た咲凪は、相当な肝の据わり方だったのかもしれない。
もしくはただの変態だったか。
「えっ、何言ってるの?女の子におちんちんはないよ?」
小首をかしげる咲凪。
まあ、俺だって数日前までは同じ反応だっただろう。
俺は出来立ての冊子を彼女に突きつけた。
「これを見ろ。女性にもそういう状態があるし、何より清潔にしておかないと大変なことになるらしいぞ。」
表紙に踊る『ムキムキ体操・女性版』の文字。
内容は俺が監修し、医学的根拠(一部)に自分への都合の良さ(大部分)をミックスして編み上げた秘伝の書だ。
咲凪は面白がるように、じっくりとページを捲り始めた。
「……へぇー、なるほど。あまりじっくり見たことなかったけど、ちょっと自分で見てくるね。」
そう言って立ち上がり、部屋を出ようとする。
だが――
歩き出した彼女の手を、ガシッと掴んだ。
「俺が……確認してやるよ。」
心臓が、うるさいくらいに鳴っていた。
「お兄ちゃんが……見るの?」
咲凪が目を丸くして驚愕の表情を浮かべる。それはそうだ。
これまでこの手の話題では常に防戦一方だった俺が、あからさまに攻勢に出たのだから。
今日の俺は一味違う。
「ああ。前に俺の包茎を見てくれただろ?今度は俺が、咲凪が包茎かどうか確かめてやる。」
一瞬、彼女の顔に明らかな狼狽が走った。
勝った――そう確信したのも束の間、そこはやはり咲凪だった。
「……いいよ。じゃあ、私が包茎かどうか、お兄ちゃんの目でしっかり確かめてね。」
挑戦的な笑みを浮かべ、彼女は躊躇いもなくスカートの中に手を滑り込ませた。
そして、そのままパンツをすらりと膝下まで引き抜く。
あまりにも堂々としたその振る舞いに、こちらが日和りそうになる。
だが、俺は見逃さなかった。
強気な言葉とは裏腹に、彼女の耳が今までに見たことがないほど真っ赤に染まっているのを。
咲凪はそのままベッドに腰を下ろし、脱ぎたての布地を無造作に傍らへ置いた。
そして――ゆっくりと、膝を左右に割り開く。
「……スカートは、お兄ちゃんがめくってね?」
視線を絡ませ、小悪魔のような微笑を向けてきた。
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