白い砂浜、照りつける太陽、そして青い海。僕は今、海に来ている。
決して遊びに来ているわけではない。ボランティア活動に参加しているのだ。
最初は内申書のためだけに始めてみたボランティアだったけれど、意外にも楽しめている自分に気づいた。
それからいくつかの活動を経験し、今回はついに海にまで来てしまったというわけだ。
やる事といえばゴミ拾いと、もし怪我人や体調の悪そうな人がいたら本部に報告することらしい。
「ゴミは海岸だけでなく、浅瀬にも漂流しています。くれぐれも無理のない範囲で、海の中の確認もお願いします!」
代表が拡声器で呼びかけている。
つまり、海に入っても怒られないということだろう。
僕の所属する団体はかなり雰囲気が緩く、「ボランティア自体を楽しむ」ことをモットーにしている。
だからこそ僕も気負わずに参加できているのだろう。
「本日は参加人数が多く熱中症の危険もありますので、三人一組で行動してください!」
……三人組?それはちょっとまずい気がする。
今日に限って友達も、いつも喋る知り合いも参加していないのだ。
周りを見渡すと、仲の良い人同士がどんどんチームを組んでいく。
焦っていると、横から腕をツンツンとつつかれた。
「ちょっとキミキミ、私たちと組まない?」
振り返ると、そこにはビキニ姿の眩しい女子大生二人組が、ニコニコと微笑んでいた。
「僕で大丈夫ですか……?」
「うん!キミくらいの男の子がちょうどいいのよ。」
(これって、もしかしてナンパ避けかな……?)
僕が複雑な表情をしていると、片方の子が急に僕の腕にぎゅっと抱きついてきた。
「なに?私たちじゃ不満?」
あまりの距離の近さと柔らかい感触に、固まってしまう。
すると、もう一人の女の子が慌てて割って入ってきた。
「もー、からかうのはやめなさい!困ってるじゃない。」
すると、腕を組んでた子が急に股間を握ってきた。
「っ!」
声じゃない声が漏れてしまった。
そして、ふにふにと手が動く。
「あれ?大きくなってないな。私の魅力が足りないのかな?」
すると、急に脳に初めて女性に揉まれてしまったと言う情報が流れ込む。
快感が脳髄まで流れ込む。
「あ、固くなってきた。」
すると、もう一人の女の子が僕の股間を揉んでいる子の頭を思いっきり叩いた。
スパーンといい音がした。
頭を叩かれた子は「いったー!?何するのよ!」と抗議しつつ、ようやく腕を離してくれた。
綺麗なお姉さんは申し訳なさそうに頭を下げた。
「本当にごめんね。悪い子じゃないんだけど、すぐ調子に乗っちゃうの。」
ハッとして彼女の顔を見る。
少しゆるく巻いたロングの茶髪に、整った綺麗な顔立ち。
思わず見惚れてしまった。
「別に減るもんじゃないし良いじゃーん。」
頭をさすりながらそんなことを言っているショートカットの子も、健康的でとても素敵な女性だった。
「まだゴミ拾いもしてないけど、一回海に入ろうか。頭冷やした方が良いよね。」
ゆるふわロングのお姉さんが、僕の手を優しく引いて海へと誘ってくれた。
「あ!ずるい!私も!」
「小春ちゃんはゴミ袋とかもらいに行ってきて。いたずらの罰。」
小春と呼ばれたお姉さんは「そんなー」と嘆いていたが、ロングのお姉さんが拳を握ってみせると、慌てて道具を取りに走っていった。
なんとなく二人のパワーバランスが理解できた気がする。
波打ち際で下半身を海につけると、火照っていた体がすーっと落ち着いていくのを感じた。
「落ち着いたらゴミ拾い行こうね。あ、初めましてだよね?私は久瀬ひより。よろしくね。」
ひよりさんがそっと手を差し出してきた。ドキドキしながらもその手を握り返す。
「あ、はい!僕は篠森透です。よろしくお願いします。」
「あー!二人だけで仲良くしてる!ずるい!」
騒がしく小春さんが戻ってきた。手には道具をたくさん抱えている。
「自己紹介をしてただけよ。小春ちゃんも早くしなさい」
小春さんは抱えていた荷物を砂浜に置くと、元気よく手を差し出してきた。
「はじめまして!雨谷小春だよ。よろしくね。」
差し出された手を握る。
僕よりも小さく華奢な手で、やっぱりドキドキしてしまった。
「篠森透です。よろしくお願いします。」
「うんうん!透くんって呼んでいい?私のことは小春ちゃんって呼んでね。小春日和の小春だから気に入ってるんだ。ほら、私って小春日和っぽいでしょ?」
ものすごく喋る人だな、と思う。
小春日和というよりは、頭上に輝く真夏の太陽みたいな人だ。
「私のことも『ひより』って呼んでね。偶然なんだけど、二人合わせて『小春日和』になるんだよね。」
ひよりさんの落ち着いた雰囲気に触れ、二人揃っての『小春日和』という言葉がしっくり落ちてきた。
「遠慮なく呼んでいいからね。なんせもうおちんちん触った仲だからね。」
楽しそうにそんなことを言った小春さんの頭がまたスパーンといい音がした。
「いい加減にしなさい。女だからってセクハラにならない訳じゃないのよ。」
呆れながら手をさすっている。
結構な威力で叩いていたんだな、と少し恐ろしくなった。
「痛いなー。バカになったらどうするのよ。」
「これ以上バカにはならないわよ。」
結構酷いこと言っている気はするが、きっと仲がいいからなんだろうな。
少しだけ羨ましくなってしまった。
「さ、そろそろゴミ拾いに行きましょうか。」
「あ、そうだ!麦わら帽子貸してもらったから被ろうよ。日差し強いから気をつけてねーって。」
小春さんが配ってくれた帽子を被り、トングをカチカチ鳴らしながら先頭を行く小春さんの後を追った。
他のグループと重ならないよう、僕たちは少し離れた岩場付近を捜索することにした。
「透くんは一人で来たの?」
ひよりさんが優しく話しかけてくれた。
「はい。本当は友達と来る予定だったんですけど、急用が入っちゃって。」
「そうなんだ、少し残念だったね。」
「いえ、そのおかげでひよりさんと小春さんと一緒にゴミ拾いできてるので、トータルで勝ちです!」
すると、前を歩いていた小春さんが振り返った。
「嬉しいこと言ってくれるねー。またおちんちん触ってあげようか?」
そんな冗談に、ひよりさんがギロリと睨みつける。
「うそうそ、そんなことしないって。……あーこわ。」
そう言いながらゴミを拾っている。
言動は少々アレだけど、仕事はきっちりするタイプのようだ。
岩場に着くと、大きなゴミは少ないものの、隙間に小さなゴミが溜まっていた。
三人は適度な距離を保ちながら作業を進めた。
「あっ!?」
黙々と拾っていると、不意にひよりさんの声が響いた。
慌てて声のした方へ向かうと、彼女が頭を押さえながら岩場の下を覗き込んでいる。
「大丈夫ですか!?」
「うん……帽子、飛ばされちゃった。」
見ると、彼女の頭にあった麦わら帽子がなくなっていた。
僕もそっと覗き込んでみると、帽子が海面に浮かんでいる。
幸い、波にさらわれて遠くまで流されてはいないようだ。
「あらら、ピンポイントで風に吹かれちゃったかな?」
駆けつけた小春さんも一緒に覗き込む。
トングを使えば、ギリギリ届きそうな位置だった。
「透くん、届きそう?」
「なんとか届くかもしれません。」
「無理はしないでね?」
心配そうに声をかけてくれるひよりさん。
だが今の僕は、少し危険を冒してでもいいところを見せたい一心だった。
「大丈夫です!任せてください!」
頼もしく胸を叩き、岩場に腹ばいになって手を伸ばす。
必死に指先まで伸ばすと、トングの先端がギリギリ麦わら帽子のつばにかかった。
焦らずゆっくりと引き揚げ、トングで掴んだ帽子を右手で握り直してひよりさんに手渡す。
「透くん、ありがとう!」
嬉しそうに微笑むひよりさんを見て、頑張った甲斐があったと胸が熱くなった。
そのまま立ち上がろうと、両手で岩場に力を込めた――次の瞬間。
ガコッ!と嫌な音が響いた。
「……え?」
手元からゴツゴツとした岩の感触が消える。
「透くん!」
「危ない!」
二人の悲鳴が聞こえたと思った時には、目の前に海面が迫っていた。
「あ」と思う間もなく、ザバン!と大きな音を立てて海に転落した。
やばい!と焦ったものの、そこは波も穏やかで足が届くほど浅かった。
ザバッと顔を出す。
「透くん、大丈夫!?」
ひよりさんが岩場から心配そうに覗き込んでいた。
「あ、はい、大丈夫です!意外と浅かったです。」
「透くん泳げる?砂浜の方から上がった方が良いよ。」
小春さんが指をさして教えてくれる。
だが、この場所に落ちたことで気づいたことがあった。
「えーと……砂浜の方には行かない方が良いかもしれません。この岩場の近くで、上れそうな場所ってありますか?」
二人は頭にはてなを浮かべつつも、登れそうな足場を探してくれた。
「こっちから上れるよ!」
二人が手を振る場所へ急いで泳ぎ、ゆっくりと陸へ上がった。
「どうしたの?何かあったの……って、ああ、なるほど……」
僕の姿を見て、二人は察したように納得した。
首から下が、信じられないほど酷く汚れていたのだ。
きれいな海に見えたが、あの岩場のくぼみだけ汚れや油分が滞留していたらしい。
太陽の光でキラキラ反射していたため、上からは気づけなかったのだ。
変な匂いもするし、ベタベタと肌にまとわりついて気持ち悪い。
「シャワー行こ、シャワー!」
「そうだね。私、石鹸とか持って来るから、小春ちゃんは透くんを連れて行ってあげてくれる?」
そう言うと、ひよりさんは小走りに本部の備品置き場へ駆けていった。
「さ、行こうか。あそこのシャワー室なら他の人にも迷惑がかからなそうだよ。」
小春さんが迷うことなく僕の手をキュッと握りしめてきた。
「あ、あの……汚いですよ?」
「いいからいいから。早く行くよ!」
服がドロドロに汚れているのも気にせず、迷わず手を握りしめてくれた小春さんの温もり。
それが素直に嬉しかった。
どうにかこうにか、目的地であるシャワー室に着くことができた。
「ここ、砂浜から結構離れているけど、ちゃんと使えるのかな?」
そう言いながら、小春さんが蛇口をひねってみた。
すると、勢いよく水が勢いよく噴き出した。
「お湯出るのかな……あ、出た出た!とりあえず一回流そ?」
そう言って、小春さんは僕の手を引いて狭いシャワー室へと誘った。
さっそくシャワーの温水をかけてみるのだが、身体に付着した妙な油のような汚れのせいで、まるで落ちる気配がなかった。
「仕方ない。ひよりが石鹸を持って来るのを待ちますか。」
そう言いながら、小春さんは僕にシャワーをかけ続けてくれていた。
すると突然、小春さんが僕の目を真っ直ぐ見つめながら質問を投げかけてきた。
「透くんってさ、ひよりのこと気になっているでしょ?」
「っ!?」
心臓がドキッと大きく鼓動した。
確かにひよりさんはドストライクの女性だった。
綺麗だし、スタイルも良いし、何より優しい。
「い、いや、そんな……そんなことは……」
あからさまにしどろもどろな返事をしてしまう。
そんなの、もう「イエス」と答えたようなものだった。
だが、小春さんは少し神妙な顔つきになった。
「うーん……応援してあげたい気持ちもあるんだけど……諦めた方が良いかもね。」
その予想外の言葉に、「え?」と間抜けな声を漏らしてしまう。
やっぱり年下だし、最初から恋愛対象として見られていないということなのだろうか……。
「別に、透くんがどうこうって話でもないんだよね。」
「……どういうことですか?」
何でもズバズバと言う性格の小春さんが、珍しく言葉を言いよどんでいる。
なんだか嫌な予感が胸を締め付けた。
「ひよりね、彼氏いるよ。」
その一言で、頭の中が真っ白になった。
何か言い返したいのに、口がうまく回らない。
身体の力も抜けて、ピクリとも動かなくなってしまった。
「高校生の頃からずっと付き合っている男の人なのね。大学卒業したら一緒に暮らすって……あれ? 透くん大丈夫!?」
両肩を掴まれ、頭をガクガクと揺さぶられる。
まさか、自分がここまでショックを受けるとは思ってもみなかった。
だとしたら、なんで今日は二人で海にボランティアに来ていたのだろうか。
もしかして、他のグループの中にその彼氏とやらがいたのだろうか。
「本当は今日、その人も一緒に来る予定だったんだけど、急な用事が出来ちゃったらしくてね。」
そうなのか……。僕の友達と同じパターンか。
なんだか急に、短い夢を見させてもらっていたような寂しい気分になった。
「でもさ、ひよりの帽子を取ってあげようとして汚れちゃった訳でしょ?ひよりに身体洗ってもらおうよ。それくらいなら浮気にならないって。」
それは、めちゃくちゃ嬉しい提案だけど……。
「さすがに彼氏さんに悪いですよ。自分で洗いますから大丈夫です……」
悲しさと悔しさで、少しだけ涙がこぼれ落ちそうになった。
そんな情けない僕を見て、小春さんは「はー」と大きなため息をついた。
「はぁ〜……そんなんだから童貞なのよ。据え膳食わないでどうするのよ。」
(な、なんで童貞だってことまで知って……!?)
いや、こんな煮え切らない態度を取っていたら、女性経験の乏しさなんて一発でバレちゃうか……。
「よし決めた!ひよりにおちんちん見てもらおう!」
「は!?何言ってるんですか!?」
本当に意味が分からなかった。
なんで僕が、ひよりさんにおちんちんを見られなければいけないのだろうか。
「男の子って、好きな女の子におちんちん見てもらいたいんでしょ?せっかくだし見てもらおうよ!」
そう言うや否や、小春さんは僕の水着のゴムを掴むと、ぐいぐいと下へ引っ張り始めた。
「だ、ダメですって!本当に脱げちゃいますって!!」
必死に水着を押さえるのだが、なぜか小春さんの腕力が異常に強い。
僕の虚しい抵抗も届かず、スルリと水着が膝まで下ろされてしまった。
まさにその瞬間、シャワールームのカツンとカーテンが開けられた。
「小春ちゃん、透くん!石鹸持って来た……よ?って、何やってるのよ!!」
ひよりさんの視界には、水着を下ろされておちんちんを丸出しにしている僕の姿がバッチリ映っていたはずだ。
だが、ひよりさんはそんな衝撃的な光景を見ても大して取り乱すことなく、呆れ顔で小春さんの頭をポコンと叩いた。
これで確信した。
ひよりさんは、やっぱり僕のことをハナから「男」として意識していないのだ。
ショックは大きかった。けれど、逆に吹っ切れて開き直れた気もした。
男として見られていないのなら、もう遠慮なく見せつけてやればいい。
あとで、一人虚しくトイレで処理でもしてやろう。
「ちょっと誤解しないでよ!水着の中までぬるぬるだったから脱がしただけだよ!」
小春さんが必死に言い訳をしている。
確かに見下ろすと、僕のおちんちんまで例の妙な油汚れのようなもので覆われていた。
さすがに大丈夫なのかと心配になってくる。
「……本当だ。おちんちんまで汚れちゃってる。……ちょっとごめんね?」
そう言うと、ひよりさんは何の躊躇もなく手を伸ばし、僕のおちんちんを指先でちょこんと摘かんできた。
「ッ……!?」
触れられている部分から、電流のような衝撃と甘い快感が一気に押し寄せてきた。
あまりの刺激に小春さんの方へ視線をやると、彼女はなぜか両目をギュッと交互に閉じたり開いたりしていた。
多分だけど、ウインクが下手くそで出来ない人なんだろうなと思うと、少しおかしくて笑いそうになった。
「ほら、おちんちん触ってないで身体洗ってあげよ?身体に良くなさそうだし。」
「そうだね。タオルも借りてきたから、急いで洗ってあげよう。」
ひよりさんは小春さんにハンドタオルのようなものを渡すと、二人で石鹸を泡立て始めた。
冷たく冷えたシャワー室で、冷静に現状を考えてみる。
水着姿の美人二人掛かりで身体を洗ってもらえるなんて……。
冷静に考えて、とんでもなく幸運な状況なのではなかろうか。
僕は密かに期待に胸を膨らませ、二人の手に身を任せることにしたのだった。
続きはPixivFANBOXにて先行公開しております。

当ブログでは一週間後を目処に本公開致します。
もし支援していただけるのでしたら、PixivFANBOXをよろしくお願い致します。
限定ショート小説や裏話を書いたりもしております。
ご支援の検討をよろしくお願いします。
▼ PixivFANBOXはこちら
https://youyanagi.fanbox.cc/
▼ Xのフォローもよろしくお願いします
https://x.com/tukiichifuzoku

💬 ご意見・ご感想はこちらへ。